WISC-Ⅳ(ウィスク4)検査において
結果の読み取りは
本当に難しいものです。
臨床心理士さん、公認心理師さんでも
WISC-Ⅳ(ウィスク4)検査の読み取りは
間違えることも多々あります。
なぜ、間違えてしまうことが
あるのでしょうか。
それは、臨床心理士になる際の
指定大学院で
WISC-Ⅳ(ウィスク4)検査の読み取り方や
親御さんへのアセスメントの仕方を
ちゃんと教わっていないからです。
臨床心理士さんや公認心理師さん
ご本人の能力の問題ではなく
大学院のカリキュラムの問題だったのです。
では、そのWISC-Ⅳ(ウィスク4)検査の中でも
検査を実施する方は
最も難しいと感じる検査
「理解」についてご説明いたします。
【WISC-Ⅳ(ウィスク4)検査にある理解とは…】
WISC-Ⅳ検査は、合計15の
下位検査から成り立っています。
そも15ある下位検査は
10の基本検査と
5の補助検査で構成されています。
WISC-Ⅳ検査の「理解」は
その15ある検査の中で
最も難しいものと言えるでしょう。
では、その「理解」という項目で
子どもの何が分かるのでしょうか。
簡単にいうと「理解」という検査で
その子どもの
「対社会的な一般常識力」が分かります。
そのため「子どもの問題行動」の原因が
WISC-Ⅳ検査における
「理解の低さ」=一般常識力の低さ
にあると推定されるケースも
往々にしてあるのです。
【一般常識は教えているが…】
親御さんの中には
子どもに一般常識を色々教えているが
なかなか定着しない
とおっしゃる方が多数います。
例え、子どもの一般常識力が低くても
悲しまないでください。
子どもの一般常識力が低いのは
親御さんがちゃんと教えていない訳でも
親御さんの躾の問題でもありません。
例えば、子どもの短期記憶が
低いのであれば
何かを教えても
なかなか覚えないでしょう。
また、一度覚えたことであったとしても
長期記憶が低いのであれば
数ケ月経てば
全部忘れてしまうこともあるでしょう。
全部忘れてしまうどころか
覚えたという事実とか
教えてもらったという事実まで
忘れてしまうのです。
それは、本人の努力の問題でもなく
もって生まれた、その子の特性なのです。
短期記憶というのは
WISC-Ⅳにおいて
WMI(ワーキングメモリ指標)です。
長期記憶というのは
WISC-Ⅳにおける
VCI(言語理解指標)にある
単語と知識になります。
【一般常識を子どもに教えつつ、短期記憶も鍛えよう】
どうせ忘れてしまうので
一般常識を教えても
しょうがないのでは、
と考える方も
少なからずいるでしょう。
しかし、テクニックを用いて
記憶させることは可能です。
また、WMI(ワーキングメモリ指標)は
トレーニングによって
上げることが可能です。
長期記憶への移行や保持については
テクニックを用いるのです。
詳細は、また別の記事で書きますね。
さて、一般常識力が低いお子さんに対して
やれることはあります。
色々と試してみてくださいね。
★☆
発達障害ラボ
室長 車重徳