皆さん、こんにちは。
発達障害ラボの車重徳です。
さて、早速、WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査に関する
こんな質問が入りました。
その質問は
「WISC-Ⅴ検査では下位検査の
代替検査は使えないの?」
という質問です。
今回は、この質問について
お応えいたします。
さて、早速、回答です。
WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査における
下位検査の代替検査ですが、
答えはYSSでもあり、
NOでもあります。
具体的なお話をしましょう。
その際にレベルを3つに分けて
ご説明します。
その3つのレベルとは
・FSIQレベル
・主要指標レベル
・補助指標レベル
です。
そのレベルによって
代替検査の使用が変わるのです。
1)FSIQレベル
結論ですが、
FSIQレベルでの下位検査の
代替検査は認められています。
WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査に変わり
FSIQを算出するのには
7つの下位検査が必要になります。
その7つの下位検査とは
・類似
・単語
・積木模様
・行列推理
・バランス
・数唱
・符号
です。
そして、代替できる下位検査は
・類似 ▶ 知識または理解
・単語 ▶ 知識または理解
・積木模様 ▶ パズル
・行列推理 ▶ 絵の概念
・バランス ▶ 絵の概念または算数
・数唱 ▶ 絵のスパンまたは語音整列
・符号 ▶ 記号探しまたは絵の抹消
となっています。
しかし、留意点があります。
それは、FSIQの算出において
代替できる下位検査の数は
1つのみです。
7つの下位検査の中で
1つのみなのです。
そのため例えば
・類似
・数唱
で正しい検査結果が得られていないような気がするから
その2つの検査ともに
代替検査でFSIQを出そうかな
ということはできないのです。
2)主要指標レベル
主要指標レベルとは
・言語理解指標
・視空間指標
・流動性推理指標
・ワーキングメモリ指標
・処理速度指標
のことです。
そして、上記の主要指標レベルでの
下位検査の代替検査は
認められていません。
そのため、しっかりと検査を実施する
必要があります。
3)補助指標レベル
補助指標レベルとは
・量的推理
・聴覚ワーキング
・非言語性能力
・一般知的能力
・認知熟達度
のことです。
そして、上記の補助指標レベルでの
下位検査の代替検査も
認められていません。
そのため、しっかりと検査を実施する
必要があります。
結局のところ
FSIQの算出には
下位検査の代替検査は認められています。
1つだけですが…
しかし、主要指標も
補助指標も下位検査の代替検査は
認められていないです。
FSIQだけでは
子どもの特性を理解することは
困難です。
子どもの特性をしっかりと
理解するためには
・主要指標
・補助指標
が必要です。
そのため、仮に代替検査が
認められているとはいっても
10ある下位検査を全て、
代替検査なしで全て
実施しておいた方が
良いかもしれません。
では、また。。。
★★
発達障害ラボ
車 重徳