皆さん、こんにちは。
発達心理サポートセンターの心理士/カウンセラーの車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「うちの子は朝なかなか起きません。イライラしてしまいます。どうしたらよいのでしょうか?」
というものです。
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朝、なかなか起きない、これはイライラします。忙しくてバタバタしていたり、お仕事があるお母さんだとやらなくてはならないこともたくさんあり、子どもを送り出してから急いで仕事へという方もいらっしゃるのに、イライラしますね。
よくあるのは、「早く起きなさい!」「いつまで寝てるの!?」というような、怒鳴り声が響くというようなことです。それで子どもの布団を取り上げて、その結果、喧嘩が起こるということになります。
こういうときは、「言い方を変える」というのが1つ方法でしょう。
人は怒りで表現しがちだからです。
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発達心理サポートセンターでも「怒りのコントロール(アンガーマネジメントとも呼んでますが)」の研修を行っています。
まず、怒りというのは万能感情で、他の感情を押し殺して怒りで表現することができてしまうことを知りましょう。
そのため、怒りは表れやすい感情なのです。
「喜怒哀楽」という言葉で考えると、喜んだあとすぐに怒る。
それから悲しんで楽しい。このように怒りは自然な感情で、表しやすいのです。
犬や猫などの動物でも「キー」ってすぐに怒りますね。
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では、どうすればよいのか。まず、声かけから変えてみましょう。
例えば、いつもだと「早く起きなさい!」「いつまで寝てるの!?」となりますが、
お部屋に入って窓やカーテンを開けて、
「おはよう。今日は天気がいいよ。きっといいことがあるよ。」と声をかけてみましょう。
または「今日の朝ごはんは、大好きな目玉焼きを用意したよ。目玉焼きはしっかり焼くのと半熟とどっちがいい?」「パンはどれくらい焼く?」「今日は特別に大好きなシリアルを出そう」「今日の朝ごはん、ヨーグルトとフルーツだよ」「今日はオレンジジュースを買っておいたよ」など、それはちょっと嬉しいなと思うようなことを提示するのです。
毎日起きない場合には、いろいろ用意しなくてはならないので大変ですが、起きたくない日もあります。怒られるより、今日は特別な何かがある、楽しいことがある、というようなことがわかると「起きてみようかな」という気持ちになります。
「昨日、洗濯しておいたから、お気に入りの服を着て学校に行けるよ」「今日は日差しが強そうだから、お気に入りの帽子を出しておいたよ」などもよいでしょう。このように少しワクワクするようなこと、なにかあるようなことを会話として入れてみましょう。
怒りは表れやすい感情ですが、その怒りが出そうになったときは、一呼吸置くのです。
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私がいつもお伝えしているのは、怒って変わるのなら怒ってもよいのですが、怒っても解決しない場合には、それは無駄である、ということです。
怒るとお互いに疲れてしまいますし、家の中の雰囲気が悪くなって関係性も悪くなります。
ですから、怒っても変わらないのであれば、どうすればよくなるのかを考えて、その解決方法を提示していく方がよいのです。
相手に選ばせるのであれば、「今日の朝食の目玉焼きは両面焼く?片面がいい?」「パンはフランスパンと食パン、どっちがいい?」「ヨーグルトの中にリンゴとバナナのどちらを入れる?」「今日は、コーンフレークとシリアルどっちにする?」など、具体的に選択肢を出して子どもにイメージさせます。
その他、明らかに夜遅くまでゲームをしていたので起きられないなど、原因が明らかな場合には「明日のゲームは禁止ね」と、子どものコンセンサス(合意)を取りましょう。
無理に考えを押し付けると、子どもは反発します。
ですから、コンセンサスを取ります。
そのためには、なぜ朝起きて学校へ行くのが大切なのかが伝わらないといけません。
そうでないと、子どもは一方的に無理難題のルールを押し付けられた、と思ってしまうからです。
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いかがでしょうか。
発達心理サポートセンター
心理士/カウンセラー 車重徳