皆さん、こんにちは。
発達障害ラボの車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「診断を受けていない
10歳、普通級の子どもがいます。
子どもの内面が乏しいと感じます。
質問が短絡的だと感じます。
軽く自閉症傾向と
ADHD傾向があるのではと
思っているのですが、
自動的に情報が入っていかないのかなと。
例えば何かあった時、
それって金持ち? 貧乏?
とか聞いてみたり、
決して2択ではないはず。
それって良いの?
悪いの?とか、
あとはパパと芦田愛菜ちゃんって
どっちの頭がいいのとか聞かれる。
頭の良さというのは
それぞれ違うから
簡単に比較はできないと答えました。
もしくは、ウクライナの戦争を見て
日本は絶対に安全なのか?とか、
日本は島国なので
陸路で攻撃は受けにくいけど
ミサイルなど飛んで来るし、
テロというのはこちらが悪くなくても?
とても短絡的で答えても理解できていると思えません。
どうやって対応すればいいですか。」
というものです。
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親御さんは、
大人のカタチで育てたいのでしょうか。
結論を言うと、
子どもをどう育てたいのかです。
お子さんに2元論で考えるのではなく、
本質を理解して欲しいのでしょうか。
一般的に、10歳であれば
まだ多面的に物事を捉えることができません。
また、知能や本人の特性によっても変わります。
10歳あるいはそれ以前から
取り組んで欲しいならば、
教え続けるしかないと思います。
発達心理学では、
物事を多面的に捉えられることができるのは
10歳よりも上の年齢になります。
今の段階から
さまざまな可能性がある事を教えたいのであれば、
何度も説明し続けるしかありません。
何度も言い聞かせて取り組むことの実践、
または優秀な子であれば
1回言えば全て理解できるかもしれません。
つまり、1回伝えて全部理解させたいのであれば
そのような教育方針を行うことです。
また、お子さんが
「良い」「悪い」と聞いてきたら、
「良い」「悪い」以外に
“普通”という答えを設ける
ということも一つと考えます。
例えば、金持ちなのとか貧乏なのと
聞かれたら全部普通と言う。
頭がいいのはどちらか
と言われたら芦田愛菜ちゃんと言う。
日本は戦争が起こらないのと
言われたら起こる可能性があると言う。
例外はいらないと思います。
最初はAかBかで聞かれたら
ABCくらいまでは言ってもいいのでは
ないでしょうか。
「こうだけど“この可能性もあるよ”」
というのは、知能もしくは認知発達的に
成熟した後だと考えます。
つまり「この場合あるよ」というのは、
もっと大人になってからで
PRI(知覚推理指標)が発達してからになります。
このような思考は小学生6年生
もしくは中学生になって
少しずつできるようになってきます。
以上のように、
幼い子どもであれば、
その考え方自体まだ早いのです。
そのため、2元論的に
「良い」「悪い」の両極だったら
中間の“普通”というのを
言い続けることもあって良いと思います。
お金持ちとか貧乏とか、
また「日本はどうなの」と言われたら
普通と返答する。
結果的には、
子どもは「この場合ある」「この場合ある」
とそんな答えを求めてはいないのではないのでしょうか。
日本は戦争が起こらないのと
言われたら危険と答えます。
だからこれに備えておきましょう
っていう形をとる。
安心を子どもが求めているのであれば
安心だよって言います。
お金持ちかどうかと言われて
自分が貧乏と感じて劣等感抱くのであれば、
お金の問題はほぼ貧乏だと言います。
きりがないですよね。
わたしは“なんでも買ってもらえるか”
というとそうでないは思っていますし、
子どもをダメにする一番簡単な方法は、
いつもなんでも欲しい物を
その子どもに与えることだと言われています。
そのため、逆にお金持ちじゃない
と言うのはてっとり早いと思います。
つまり親御さんも優秀で、
お子さんももしかしたら優秀なのかもしれない、
そして多面的な本質を
知りたいというのであれば伝えるべきですが、
おそらく、このような質問をしてくるのは
それを求めていると推測します。
そのため2元論的に
安心を求めたいのであれば
その安心に該当するような答えをしてあげる。
そうでないため、その時に「さっき言ったでしょ」
ということを子どもが
2回も3回も繰り返し聞いてくるのではないでしょうか。
それは当然だと思います。
同じことを2回3回も
聞いてくるってことは
やはり子どもは不安だからで、
そのため答えに納得がいってないから、
もしくは忘れてしまったからでしょう。
どちらにしても毎回同じトーンで
「大丈夫だよ」「平気だよ」
というふうに言ってあげてあげる。
その答えがAだったり
BだったりCだったりすると
混乱するので「大丈夫だよ」
と言ってあげたりする。
ただ“早い段階で天才児に育てる”、
“本質を育てたい”
のであれば一つ一つ細かく丁寧に
「この場合もあって」
「この場合もあって」
「この場合もあるんだよ」
とか
「善と悪だけじゃないんだよ」
とか
「戦争ってなんだろな
戦争の話し合いは平和じゃないし」、
戦争の反対は話し合いですけれど、
「そもそも話し合いでは解決できないこともあるんだよ」
など伝たいことを伝えればいいと思います。
私はその子の親にはなれないので
結局、親御さんがどう育てたいかが
一番だと思います。
個人的な見解としては、
その子が何の答えを欲しているのか
2元論的な答えを欲しているのであれば
2元論だけで、
答えられないのであれば3つ目の
「普通」を持ってきて
どっちでもないというカタチを取ります。
そして理由は聞いてきたら答えます。
いかがでしょうか。
★★
発達障害ラボ
車重徳