皆さん、こんにちは。
発達心理サポートセンターの心理士/カウンセラーの車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「うちの子はよくつまづきます。何もないところでつまづいたりします。どうすればよいのでしょうか?」
というものです。
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よくつまづくというのは危ないですね。
転びそうになった時に無意識に手が出ることを反射といいますが、お年寄りになると反射機能が弱くなるので、ぱっと手が出なくて顔から突っ込んでしまって危ないです。
まだ子供の段階であれば、反射機能はしっかりしているのかなと思うのですが、それも子供によって反射の育ち方とか違うとは思います。
つまづくとはどういうことかというと、いくつか考え方があります。
WISC4検査、知能的に考えるところと感覚統合的に考えるところっていうのが出てきます。
まず、つまづくってどういうことかというと…
歩いていましたと、目の前に段差や階段がありました。目でその段差や階段を認識することができますかっていうのが関係してきます。
人間は視界に入っているものがすべて見えているわけではありません。
それをそれとして認識して初めて見えているになります。
そのため、段差があったときに段差があることを認識できていますか。これが視覚認知です。
WISC4検査で言うと、PRI(知覚推理指標)というところに関係してきます。
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そして、段差があると認識できたら今度はその段差ってどのくらいの高さなのかを認識できますかとなります。
例えば、どれくらいの高さなのかっていうのを把握するのは、細かく30㎝、15㎝、10㎝とかはいりません。なんとなくの感覚値です。
どれくらいの段差なのかっていうのを、把握することが必要です。その時に把握するのはWISC4検査で言うと、空間認識になります。PRI(知覚推理指標)の中の積み木模様という検査があります。その積み木模様という検査は空間認識力になります。
そのため、空間認識力はどのくらいありますかっていうのが関係してきます。
そして空間認識力が関係してきたら、ここから先は感覚統合になります。
では、足をどのくらい持ち上げたらその段差を踏み越えられるのかっていう話になるんです。
例えば、段差が20㎝だったら足をぎりぎり20㎝しか上げない人っていないと思います。25㎝、30㎝とかだと思います。倍の40㎝まで上げる人は中々いないんじゃないでしょうか。
それくらい上げないと段差を踏みしめることができないということになります。
その時にどれくらい足を持ち上げればっていうのは感覚値です。
段差を踏みしめるために25㎝、30㎝くらい足を上げて踏みしめようと思ったときに感覚的に足を25㎝、30㎝あげるっていう指示が脳から出るわけです。
その際に、ちゃんと足上げられていますかということです。もし足が上がっていない、要は段差があるのを認識していても、足を上げられていないのであれば感覚統合の観点で身体機能が上手く使いこなせていないということになります。
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そして、足を持ち上げることによって体の重心がずれますよね?
要は両足で立っているときと足を持ち上げたとき、歩いているときと足を持ち上げているときって重心がずれると思います。その時の体幹ってどうなっていますか。
当然、重心がずれるとバランスが崩れる、体幹が乱れる、そして転ぶっていうこともあるんです。
それも、体幹をすぐに整えられるように、体幹が乱れることを認識する、認識したうえで乱れた体幹を元に戻すためにどのように筋力を動かすかどうかです。これも感覚統合です。こういったことが関係してきます。
そのうえで、乱れた体幹を整えつつ、次の段に行くと。
次の段に行くときは左足から右足へ、右足から左足へと不安定な段差や階段の上で反対の足を持ち上げることになります。
平らなところで足を持ち上げるのと、不安定なところで持ち上げるのってそもそも違いますよね。
こういった作業が必要になってきます。
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そう考えると、もし転ぶ、つまづくっていうのをどのように考えればいいのかというと視覚認知ありますか。空間認識はありますか。
何にもないところで転ぶのであれば完全に感覚統合なんです。
まずは、目で見た情報を捉えることができますかという視覚認知、空間認識が必要です。
さらには、感覚統合の観点で筋力をしっかり動かすことができますか(固有覚)、足を持ち上げた際のバランスをちゃんと保てますか(体幹)というように様々能力が関係しています。
もし鍛えるのであれば、どうしたらいいかというと今お伝えした視覚認知、空間認識、感覚統合の固有覚、体幹というのを整えていって頂けたらいいんじゃないかなと思います。
具体的にどうすればいいかというのは、またどこかでお伝えできればと思います。
いかがでしょうか。
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発達心理サポートセンター
心理士/カウンセラー 車重徳