皆さん、こんにちは。
発達心理サポートセンターの心理士/カウンセラーの車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「うちの子はこだわりが強いです。こだわりが強すぎて生きにくいんだけどそのこだわりを捨てられません。どうすればよいのでしょうか?」
というものです。
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こだわりが強い子、要はASD(自閉症スペクトラム)やアスペルガー傾向の子もこだわりが強いです。
中々こだわりってどんなに生きにくかったとしてもなくすことができないです。
やはりそれをせずにはいられないっていうのがあります。
とある男の子は、どうしてもこの道を通らないと家に帰れないという、なんかすごい思い込みが入っちゃってどんなに近道だろうが、工事中でその道が通れないとしても、その道を歩かないとダメみたいなこだわりが出ちゃいました。
どうするのかというと、結論を言うとそのこだわりって、なくそうとすればするほど強固になります。
なので、なくそうとはしません。
なくそうとはするのではなく、他のこだわりを植え付けて、そのこだわりで縛り付ける。
または、ほかのこだわりをいれて、元々あったこだわりを極小化させます。
例えば、どうしてもこの道を通らないと帰らないというのがあれば、1つのやり方として影があってその影を通って帰りましょうっていうこだわりを新たに植え付けます。
要は影踏みの延長です。
このように違うこだわりを入れるんです。
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過去にやったのは、白い線を踏んで帰るとか、日陰で帰るとか自転車だったら大丈夫、車だったら大丈夫、抱っこだったら大丈夫というこだわりを入れちゃいます。
とある男の子は、何かの木を絵本で読んでその気がすごく怖かったと、その種類の木を見たらもうその道は通れないし、大声を上げて叫びたくなるくらいその木が嫌だと、その木がある道は通れないというこだわりができちゃいました。
親御さんはすごく困り、目で見ないで行きましょうとか色々やってみたようなんですがダメでした。
木があるというのが認識として入ってしまっているので、目をつぶろうが木はいなくならないんです。
どうしたかというと、その木があったとしても例えば、その奥にあるヒマワリが咲いていたとして、そのヒマワリの前を通ると幸せになれるっていう認識を強く入れます。
そうすると、木は嫌だけれでも幸せになりたい、幸せになるためにはあのヒマワリの前を通らなくちゃいけないんだそっちを優先順位として高くしていくんです。
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他の例で言うと、どうしても靴下がはけない子です。
発達障害の子で靴下嫌いではかない子って多いですよね。
ただ、その子はどうしても靴下嫌なんですが、めちゃめちゃ足が臭いんです。
放課後デイサービスとかを僕がやっていた時で、そこは絨毯でもないんです。
クッションマットみたいなもので、ゴムみたいなものでできていますが、その子が通った足跡がくっきり見えるわけではないのですが匂いとして、匂いの足跡が残っているのです。
どこを踏んだかすぐわかるんです。
それくらい臭くて、その部屋にいるのが苦しいくらい臭いんです。
冬でも裸足で来るから冬でも足って蒸れますよね。そのため臭かったんです。
どうしたかというと、レッグウォーマーをまず履かせました。
冬って寒いからレッグウォーマーつけないと寒いよねっていうのを、強烈に言います。
そのうち、これはレッグウォーマーのゴムをいくつか切ってずるずるって下にずれるようにします。
最終的に足のつま先までレッグウォーマーを持っていって、その足のつま先を縫って閉じたんです。
でも、その子の中に強烈にレッグウォーマーですという認識を入れた上で、レッグウォーマーが足の指先まで落ちて、更に閉じられたとしてもその子の中ではレッグウォーマーだから、もうぶかぶかの靴下みたいな感じになっているのですが、その子の認識ではレッグウォーマーのままなんです。
だから、結果的に靴下はけちゃったみたいにはなるのですが、レッグウォーマーを履いただけなんです。
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このように、違う認識を植え付けるんです。
これがテクニックです。
ただ、一人でやろうとするときついです。
だから、周りの人や親御さんを巻き込んで生きにくい強固のこだわりに対してどんなこだわりを植え付ければいいのですが、新しいこだわりはその子にとってメリットがあるこだわりがいいです。
メリットを優先させて、デメリットを極小化させるというやり方があります。
みんなで何がいいか相談して実験的にいろいろ試しながら、結論としてどこに落ちつくのかっていうのを試して行っていく形になります。
いかがでしょうか。
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発達心理サポートセンター
心理士/カウンセラー 車重徳