皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「子供の行動がどうしても許せないことがあります。先日ついつい怒りすぎてしまって、これ以上行くと手が出てしまうという影響にかられました。アンガーマネジメントとは怒らないようにする方法なのでしょうか?もしそういうのがあれば教えていただけたらと思います。」
というものです。
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お子さんについてイライラしてしまうというのは結構、多いご質問です。
親御さんは親御さんの頭の中でどうしても許せないことというのはあると思います。
それは誰しもあるので、それ自体がどうこうというのではないです。
ただ、考えておいていただきたいことはあります。
まずは怒るという行為はどういう行為なのかという事です。
怒るというのは簡単に言うと、リクエストなんです。
要はこういう行動をしてほしいというリクエストなのです。
そのリクエストを怒りという感情に乗せてしまっているのが問題なんです。
それって大きな問題じゃないですかという話なのです。
よくある話が、何回も怒って怒り続けました。
怒り続けたら子供の行動って変わるんですか?っていう話です。
例えば、10回怒りました。子供の行動は変わりません。
20回怒りました。子供の行動は変わりません。
では50回なら変わるのでしょうか?
皆さんはどう思うでしょうか?
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僕はないと思います。
そもそも50回怒る時間はもったいなくないですか?
もっと言えば、50回言えば疲れますし、その場の雰囲気も悪くなると思います。
そのあとのパフォーマンスって僕は下がると思います。
例えば、委縮してしまったり、雰囲気が悪くなると思います。
または、僕よくお母さんが怒っていたという話を聞くと子供に聞くのですが、
「なんで怒られたの?」
「わかんないけど、お母さんがすごく怒ってた。」
それはもうどちらも不幸ですよね…。
子供からすれば理不尽だし、分からないから結局また同じことをするんです。
また同じことで怒られる。
怒っている方はどれだけ怒ればいいんだ、もっと怒れば変わるのだろうかと思うのか変わってほしいから起こり続ける。
でも、徒労に終わってしまいます。
何も変わりません。
怒るという行為は意味ありますか?
効果がないのに、関係性が壊れるだけなのに、意味ありますか?
と僕は思ってしまいます。
だったら、どうすればよいでしょうか。
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例えば、3回怒っても変わらないのであれば僕無駄じゃないのかなと思います。
何を言うかではありません。
誰が言うかです。
あなたが言ってもダメだったら、誰が言えば変わるんですか?という考え方が1つあります。
例えば、親子関係であればお父さんが言ってもお母さんが10回言っても、100回言っても変わらなかった。
でも、大好きな先輩だったら一発で変わるっていうことありませんかという話です。
親の言う事は聞かないけれど塾の先生が言えばすぐに変わったっていう事ないですか?
同じセリフを大好きなアイドルが言ったら変わったということないですか?
絶対あると思います。
特に思春期の子たちは親の言う事聞かなくなります。
親がやるべきことは、言う事ではないです。
子供の行動改善です。
結果、変わるのであればだれが言ってもいいんじゃないですかという事にもなるはずです。
何を言うかではなく、誰が言うかそれを考えてみてもいいんじゃないでしょうか。
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または、環境調整という考え方もあります。
その行動がしたくなる環境にしてしまいます。
一番すごかったのは、もうお母さんが言いたいことすべて紙に書きだし、全部あちこちに貼ると言っていました。
子供の部屋、リビング、トイレ、洗面所など全部に貼っていたそうです。
うざいとかでやはり剝がされるんです。
剝がされても剝がされても変わるまで貼り続けると言っていました。
何度も目に見たものは潜在意識の中に刷り込まれるので、自然とやっぱりその行動になるって言っていた方もいます。
それは親御さんの粘り勝ちです。
なんというかゲーム感覚でいるしかないです。
ドラゴンクエストで言えば、スライム倒し続けていつになったらレベル上がるんだろうなみたいな感じです。
一発で変わるというのはそもそもありません。
怒ってもいいですが、怒って得られるものがあるならいいと思います。
怒らなくてはいけない場面もあるかと思います。
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危険行動や誰かを傷つけてしまって大きな問題になりそうなときは怒るべきです。
でも、怒りすぎちゃった。
怒るというのはカンフル剤なので、怒りすぎちゃったら、怒るのに慣れちゃってきかなくなります。
ほぼほぼの親御さんがそれを言います。
本当にやらなければいけないことにコミットした方が僕はいいと思います。
何を言うかではなく誰が言うか、言わなくても環境調整で変わるのであればその方が楽だと思います。
怒りはリクエストです。
その人のためになるのであれば言い続けていただけたらと思いますが、色々な方法があることを覚えておいていただけたらと思います。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳