皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「うちの子は先日、先生からグレーゾーンと言われました。グレーゾーンという定義はあるのでしょうか。」
というものです。
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そもそもグレーゾーンという医学的定義はありません。
WISC4の検査の話はたびたびしているのですが、知能検査なのでその子が何が得意で何が苦手なのかが分かる検査です。
WISC4の検査で発達障害を診断することはできません。
自閉症スペクトラムです、ADHDですと言った診断はWISC4の検査ではできません。
診断はアメリカの精神医学会が作ったDSM-5といった診断基準があります。
もしくはWHO(世界保健機関)が作ったICD-11という診断基準をもとに診断していきます。
なぜとるのかというと、その子の認知能力をまず確認しましょう。
認知能力がその子が生きていくのにあたって、色々な面で困難がある。
その困難がある数字というのがWISC4の検査でいうと、FSIQというのがトータルのIQです。
そのFSIQが、70未満であれば、発達上様々な課題があって生きていくのがもしかしたら大変かもしれないというのがその数値です。
健常者という言い方が正しいのかわかりませんが、能力的にたぶん大丈夫じゃないかなという基準というのが、当該年齢レベルが100です。
当該年齢レベル100と言いましたが、平均なので幅があります。
90~110とか、85~115くらいの幅があります。
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明らかに、生きにくい層と、いわゆる平均くらいはありそうな層、その狭間をグレーゾーンと呼びましょう。
グレーゾーンはFSIQのトータルなIQがどれくらいからどれくらいなのかというと、正式的な医学的定義はありません。
言ってしまえば、アメリカの国家財産が余裕がある時なのか、ない時なのかで若干変わるというおかしな具合になっていました。
FSIQ70~80グレーゾーン、もしくは75~85をグレーゾーンという考え方です。
その数値の子はできるところもあるけれど、できないところもあって多少日常生活も学校生活においても困難なところがあるよっていう話です。
がっつり、ほぼほぼ困難というのが69以下、70未満です。
そのため、グレーゾーンは見過ごされやすいです。
がっつり発達障害ですだと、それはそれで生きる道決まってしまうのですが、普通になんかやれるように見えてできないところがあるとかだと、やる気がないとか、サボっていると思われてしまいます。
それって怒られたりすることによって、余計に自信を無くしたり人間関係が悪くなったりする可能性があります。
グレーゾーンの子は見過ごされやすいというか、本当は能力的に問題があるのかもしれないですがそこが見られずに、サボっているややる気がないところばかりクローズアップされてしまうのがつらいところなんじゃないかなと思います。
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もし、今読んでくださっている先生方や親御さんが、お子さんに対して気になるところがあるのであれば、WISC4検査とることは僕はお勧めします。
とったからといって、何かデメリットがあるかと言われれば、ありません。
よく言われるのが、WISC4検査すると、うちの子は発達障害になるのでしょうか?とありますが、診断できないのでご安心ください。
発達障害の診断はそもそも医師でないとしてはいけません。
WISC4検査で医師であっても診断できません。
こういったことを考えると、その子が何を悩んでいるのか、どういうことにお困り感があるのかをWISC4検査をもとに、あらかじめ知っておくのもいいんじゃないのかなと思います。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳