皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「うちの子は不登校でした。夏休み明けから通うとは言っていますが、本当に大丈夫なのでしょうか。また、不登校に戻らないか心配です。」
というものです。
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不登校傾向の生徒さんはやっぱり行きたいと思う気持ちは本当だったりします。
行きたいというか元の人間関係に戻りたいというところだと思います。
学校に行くことが目的ではないです。
元の人間関係に戻りたいです。
つまり、自分一人ではどうにもならないっていうところが中々苦しいところですよね。
不登校の3要件の話を以前したかと思います。
覚えていますか?
不登校の3要件は、不登校の理由として考えられるものです。
1つ目は授業についていけない、2つ目はお友達とのトラブル、3つ目は先生との相性というところになります。
授業についていけない子のほぼほぼは板書、要は先生が黒板に書いた内容をノートに書き写すのが遅いというのがあります。
2つ目のお友達とのトラブルは原因がさらに2つ考えられて、1つはミスコミュニケーション、コミュニケーションの相違です。
もう1つは場の空気を読めないとか、人の気持ちを推察できないという事です。
3つ目は先生との相性です。
もし4つ目を入れるとしたら、興味のない授業です。
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何が原因なんですか?という話になってくると思います。
お友達が原因なのであれば、自分が戻りたいと思っても相手ありきのことです。
相手がどう出てくるかというと大げさですが、相手がどう考えているのかっていうのが大きいかなと思います。
どうすればいいのかというと、ボールを相手に預けるのはやっぱりどうかなと思います。
行けるのであれば、確かに学校に行った方がいいと思います。
ただ、過去に色んな子供たちのカウンセリングやっていると、無理して学校に行った結果ひどい子は若年性の胃潰瘍になってしまったり、プレッシャーがたまりすぎて抑うつ状態になったとか、統合失調症になってしまったとか、起立性調節障害になってしまったとかありました。
そこまでいくと、ぶっちゃけ病気ですよね。
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病気だから今度は治療が先になります。
だから、行きたいという気持ちは当然わかりますが、病気にまでなってしまっていいのかなと僕は思ってしまいます。
過去に僕がカウンセリングと化していた中でやっぱり重い子は、中1の終わりから体調崩し始めて中2で統合失調症の診断を受けました。
完全な寛解はないと思いますが、寛解したのは、よくなった、動けるようになったのは29歳なんです。
14~29歳まで寝たきりではありませんが、入退院を繰り返して、自宅療養して、自宅にいる間はテレビかゲームしかない生活をしていました。
外あまり出ないので体力落ちまくりです。
その人がいきなり29歳になって、「はい、働きましょう」ってなるでしょうか?
僕はカウンセリングしていたのでよくわかりますが、もう見た目は29歳なのでおじさんですが中身です。
要は思考は、頭の中で得ている情報であれ、対社会についてのことであれ心もピュアな中2です。
中2のまま止まってしまいました。
それで、普通に働けるかと言われたら僕は苦しいなと思いました。
だから、一番避けなければいけないのは僕は病気だと思います。
うつであれ、統合失調症であれ、起立性調節障害であれ…。
「起立性調節障害だったら18歳くらいまでには治るじゃん」っていう方もいます。
大事な青春時代です。
場合によっては14~18歳という大事な4年間を棒に振る可能性もあります。
一生のうちで考えれば短いと思うかもしれませんが、青春時代の4年間というのは僕はかえって来ないと僕は思います。
僕は中2の途中から不登校で、それ自体は後悔はしていませんが行けるのであれば言っておいた方がいいという考えは僕にもあります。
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では、どうするのかというと行けるのであれば行った方がいい、行けなくても本人が満足できる居場所はどこなのかというのを考えていきます。
それが公立で行っている適応指導教室なのか、民間のフリースクールなのかフリースクールがない地域では個別指導の塾に平日の昼間行かせてもらっているという子供もいました。
または、日中はお母さんの職場で中学生とかだとお給料もらえないのでお手伝いしたりして、対社会と触れ合うという子もいました。
後は田舎の方であれば、老人ホームにボランティアの形で日中いくとか、その中で介護や医療の仕事の興味を持って学校のお勉強っていうよりそっちを目指し始めたことで人生が変わった子もいました。
よくあるのが、居場所を変えることです。
居場所を変えれば見えるものも変わります。
見えるものを飼えれば思考も変わります。
だから、居場所を変えることによって思考を変えて、思考を変えれば行動も変わります。
その最初の一歩というのは、居場所を変えることです。
ただ、小中学生が自分一人で変えられる居場所というのは高々知れています。
そこに大人の協力が必要です。
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結論としては不登校だった子が行けるかどうかはそんなことは賭けだと思います。
僕は5分5分のかけなのかなと思ったりします。
なぜなら、僕は行けていないからです。
高校生になっても不登校は直りませんでした。
そう考えると、考えるべきことは居場所を変えるためにはどうすればいいのか、どこで居場所を変えていくのかです。
そこにはお母さん、お父さん、もしくは先生やかかわる人たちのネットワークが必要になります。
そのネットワークを駆使して居場所を変えていくっていうのはいかがでしょうかというのがご質問の回答です。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳