皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「WISC4検査の見方を教えてください。パーセンタイルって何ですか。どうすればよいのでしょうか。」
というものです。
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WISC4検査ですが、何度かお伝えしているかと思いますが、発達障害を診断するための検査ではありません。
では、何を調べるのかというと、その子の得意なところと苦手なところを調べますよっていうことをお伝えしているかと思います。
なぜ調べるのかというと、僕は2つあると思っています。
まずは、苦手なところはトレーニングで伸ばせますという事。
苦手なところをピンポイントで理解できていないと間違った方法をとることがあります。
例えば、昔であれば運動部。
ウサギとびとかやっている時代ありましたよね。
あんな非効率なもの今考えると不思議です。
トレーニングの方向性が違ってしまうと伸びるものも伸びません。
得意なところで苦手なところをカバーしましょうというのが2つ目です。
その時に、どれくらい得意なのか、どれくらい苦手なのかを見ることができる1つの指針がパーセンタイルになります。
どういうことかというと、以前こんな方がいました。
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息子さんすごく優秀ですねとお話したら、「そんなわけないです。うちの息子が、そんな優秀なわけないです。」っていうことを平気で言います。
WISC4検査のトータルのIQがFSIQに現れるのですが、トータルのIQが、130ぐらいありました。
130もあれば優秀ですよっていう感じです。
そもそも基準というのが見えていないので、130が優秀かどうかも見えていないです。
100超えてるからいいのかなんて思う方もいます。
パーセンタイルみると98と出ていました。
WISC4検査の優れているところは、当該年齢レベルの基準を100とします。
その子は15歳でしたが、15歳の何か月まで確認し3か月でした。
日本全国の平均値を100とした場合自分の下に何パーセントいますかというのがパーセンタイルです。
その子が98だったので、100人いたとしたら、その子の下に98人いますという事です。
つまり、その子は上位2パーセントに入っているという事です。
上位2パーセントってすごいですよね!
そのIQが勉強に現れているかは別です。
F1レースに例えると、めっちゃすごいエンジンを搭載していたとします。
すごいエンジンを搭載していても、運転手がへぼだったら結果は出ません。
そのエンジンに見合ったコースでなければ、結果は出ません。
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FSIQが68という子がいたとします。
パーセンタイルが1でした。
68だけ聞くと、通常100点満点で考えるのでもう少しで7割でいいのかなと思いますが、しかし、パーセンタイル1です。
100人いたらその子の下に1人しかいないという事です。
相当きついと思います。
40人中ビリになる可能性あります。
授業の際にビリだとほぼほぼ置いてきぼり状態だと思います。
僕は教員免許を思っているので言ってしまうと、お勉強苦手な子がきちんと理解して授業を進められるかっていうと、そんな授業できません。
理想はお勉強が苦手な子もしっかり理解できる授業を行うのが理想ですが、あくまで理想です。
そこに合わせると、今日教えた内容よりも前の内容で引っかかっているケースもあります。
社会とかで、後醍醐天皇のような難しい漢字が出てきたとします。
後醍醐天皇のこととか、室町時代のこととかを一生懸命覚えてもらおうとしているのに、後醍醐天皇の後醍醐が読めないとか、書けなくてそれどころでないということもあります。
英語なんて中3なのに小文字のbとdの区別つかなくて、長文読むとかのレベルではないんです。
短文であっても文章を読むことができません。
それは授業も進まないし、お勉強どころじゃないし進まないです。
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結論言ってしまうと、すべて子に合わせた授業は難しいです。
違ったところで、そういう時は攻めなきゃいけないのですが、今回はWISC4検査についてだったので攻め方は別のところでお伝えさせていただきます。
今回はWISC4検査の見方として、パーセンタイルっていうのは100人いたら、その子の下に何パーセントいますか、パーセントだと分かりにくいので何人いるかで考えます。
傾向がつかめるようになってきたら何パーセントって考えてもいいかと思います。
分かりづらかったら、50にするとどうなのか。
例えば、パーセンタイル10だったとします。
100人いたときに下に10人いることです。
少しわかりにくいです。
半分の50で考えると、下に5人いるっていう事です。
40人だと4人。
1クラス大体40人ぐらいです。クラスで下から4番目くらいということが分かります。
それって、授業についていけるレベルでしょうか。
その判断をすることができます。
置いていかれるのであれば、何か対策を打たなければいけないという話になります。
いくつかの見方があるので、これは一例だと考えていただけたらと思います。
また別の機会で他の見方もお伝えさせていただきます。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳