皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「WISC4検査を取りました。うちの子はIQがすごく高くて驚きました。IQが高いのに勉強ができません。なぜでしょうか。」
というものです。
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IQが高くてお勉強ができない、やる気がない、学校行っていない子って結構います。
不登校だからWISC4検査を取るというより、その子の特性を調べてみましょうというところでWISC4検査を取るケースが多いと思います。
繰り返しになりますが、WISC4検査は発達障害かを確認するためではなく、その子は何ができて、何が苦手なのかっていうのを判断するための検査です。
僕が考えるWISC4検査を取る理由というのは、何が得意で何が苦手なのか、これをなぜ判断するのか、調べるのかというと、苦手なところが分かれば、得意なところでカバーできるんじゃないでしょうかというのを確認出来たらなという考えです。
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もう1つは、苦手な能力はトレーニングによって改善することができるものもあります。
だから、まずはピンポイントでそれを調べましょう。
では、今回IQが高かったとのことですが、通常IQが高ければお勉強できるはずです。
でも何らかの理由で、定着しないということがあると思います。
それをアンダーアチーバーと言います。
IQ高い、能力はある…でも、なぜかできない。
当然そういうこともあります。
F1で例えると、とってもいいエンジン積んでいるのにドライバーが全くやる気がなかったらどうでしょうか。
そもそもレースに勝てません。
走りません。
では、F1の車を砂浜で走らせようとします。
全く走りません。
このように、走ろうとしている場所は適切なのかっていうことが考えられます。
アンダーアチーバーの方で、WISC4検査を取っているのであれば、能力値のバラツキとかはどうなのかを見ていきます。
そして、もしそのあたりも全く問題なさそうなのであれば、次考えられることは、明らかに苦手意識しかありません。
これはIQではありません。
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例えば、情報って目か耳から入ります。
何かを見て覚えるのか、何かを聞いて覚えるのかっていうところです。
英単語を覚えなきゃいけないとします。
見てつづりを覚えるのか、聞いて発音とか覚えるのかっていう作業が必要になるかと思います。
その記憶だと、視覚を使った短期記憶、聴覚を使った短期記憶のフォルダに入っていきます。
その情報は海馬っていうところに入れられます。
その海馬っていうのは、記憶の取捨をします。
長期的に保存するように長期記憶に入るか、忘れるかというところになります。
その海馬は何をもって大事か、大事じゃないかを判断しているのかというと、快、不快の感情です。
要はプラスイメージの感情か、マイナスイメージの感情かです。
プラスイメージの感情は面白い、楽しい、最高、笑顔になっちゃうとかです。
マイナスイメージの感情はつらい、苦しい、つまらない、難しい、やりたくないとかです。
多分能力はあるのに、どこかお勉強=つまらない、苦しいものという風に頭に入ってしまっているのだと思います。
入ってしまっているということは、そのイメージ、またはもっともっと昔にどこかが分からないということがあったのかと思います。
その分からないというのはIQ的に分からないのではなく、教え方がしっくりきてなかったから理解できなかったのではないかと思います。
それによって、難しい、分からないになってしまったのかなと思います。
そのイメージが強固になっていると思います。
強固になっていて勉強=と言った拡大解釈が頭の中でされてしまったのかと思います。
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要は数学だけダメなのに、勉強は全部だめだ、全部嫌い、つまらないといった形になってしまったのかと思います。
そういったつまらない、難しいとかやりたくない感情のままやっても結果は出ません。
忘れさせてしまいます。
昔から言われています。
「好きこそものの上手なれ」
好きというのは、やはり定着しやすいし、覚えやすいです。
嫌い、苦手意識があるっていうのはIQが高いのに勉強ができないということにつながったと思います。
これを急に好きになれっていうのは難しいです。
どうしてもこの人やだ、嫌いと思ってしまった人に対して、「好きになれ」って言って好きになれるでしょうか。
無理です。
特に女性は一度嫌いになったら、一生嫌いなんじゃないかなと思います…。
僕もそんな人間です。
この人やだなと思ったら、速攻離れます。
だからどうにかして、ニュートラルな状況に持っていくか、もしくは意識をそらすというようなことを行います。
過去に僕が行ったことは、お勉強ではなく、将来どうしたいのかっていうのを念頭に置いたうえで、知識を深めさせるということをやったりしました。
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例えば、医療に興味が出ていたとします。
僕は小学生のころから医学事典を見せます。
レントゲン、MRI、CTなど色んな物が写真で出ています。
見る人が見ると嫌だなと思ってしまうような写真もありますが、興味ある子は子供でも見ます。
では、何が必要なのかを言って最初に生物を持っていって、生物から理科全般に持っていくようなことを僕はしました。
または、友達にゲームを貸した。
返ってこないです。どうしましょう。
そんな悩みから、法律に持っていきました。
「これって警察に相談してどうにかなる?ならないね。裁判は刑事と民事両方あるけどどう?」
とかって話していき、社会に興味を持たせていくというようにやったこともあります。
なので、違った分野から攻めるというのも1つです。
あとは、好きなキャラクターとかをプリントに載せたりしていました。
ちょっとは好きになる可能性が上がります。
他はまた次の機会にお伝えさせていただきます。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳