皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「うちの子はマス目に字が入りません。どうしてなのでしょうか。」
というものです。
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マスってそもそもなぜあるのでしょうか。
形を整えるためなのかと思ったりもします。
マスに字が入らないというのは、おそらく目で見て書き写さなければならない漢字や文字が入らないのかなと思います。
そのため、そういう状況ということで説明させていただきます。
目で見た情報をどれだけ掴むことができているのかが浮かびます。
それは視覚認知力と言って、目からの形を正確に認識できますかというところになります。
これがそもそも、崩れてしまうケースがあります。
崩れているのであれば、字の形が崩れてマスからはみ出てしまうという現象が起きてしまいます。
そして、目で見たマス目の大きさをちゃんと認識できているかもあります。
これは空間認識力が必要になります。
WISCで言うと、先ほどの視覚認知はPRI(知覚推理指標)ですが、空間認識力はPRIの積み木模様になります。
空間認識が低いとそもそもマス目の大きさが認識できません。
だから、文字をどのくらいの大きさで書いていけばいいか分からないです。
例えば、どれくらいの大きさかというとマスの中に横棒1本引くがマスいっぱいに引くのか、中央に短く引くのかが分かっていないという事です。
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そして、空間認識、視覚認知が問題ないケースもあります。
その場合は感覚統合の視点で考えます。
感覚統合の固有覚というところがありますが、ここは力加減をつかさどります。
鉛筆って変な持ち方をしている子もいますが、親指、人差し指、中指この3つの指を上手に使って鉛筆を持ちます。
持ち方がぎこちないというケースもあります。
本当は持ち方の研修というのもありますが、やってないところが多いのかなと思います。
幼稚園、保育園の時ってどんな持ち方をしてもいいです。
その頃は自由に書いていけばいいかと思います。
一部の幼稚園、保育園では平仮名を練習するところもあります。
僕は保育士の資格持っていますが、保育指針はそんなものではありません。
勉強は基本しません。
豊かな情操を育てるとかっていうのが大事になります。
文字をたくさん書かせるのはどうかなとは少し思ってしまいます。
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そもそもそれをやる前に親指、人差し指、中指のトレーニングをしっかりやりましょう。
それで鉛筆を持ちます。
その鉛筆を思い通りの場所に動かせるようにします。
思い通りの場所に動かせるトレーニングで一番簡単なのは、ドットtoドット、つまり点つなぎです。
これも最初は、点と点を自由につながせるところから始めていきます。
次は時間制限を設けて点と点を速くきれいに繋げられますかというのをやったりすると、とっても能力が上がります。
迷路とかもいいですが、一番細かいペン先の動きは点つなぎかなと思います。
こういったことを行って整えていきます。
早ければ、早い方がいいトレーニングです。
3~5歳が鉛筆の点つなぎとかだとある程度できたりはするかと思います。
小学校入る前、入った後でも小学校1,2年生であれば点つなぎもありかなと思います。
該当する人はトレーニングしてみてもよいのではないでしょうか。
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では、その前段階の指先のトレーニングは何があるのかという話に移ります。
僕は児童発達支援という放課後等デイサービスの前の段階の児童発達支援管理責任者というのも行っていてプログラムも作っていました。
心理士だけではなく、教員、保育士の免許も持っているので条件に当てはまり児童発達支援管理責任者も行えました。
まずは小さいものをつまむ、ビーズみたいなものを親指と人差し指でつまむ、親指と中指でつまむ、親指と薬指でつまむ、親指と小指でつまむとか、それぞれの指を独立させて使っていきます。
今度は、つまんだものを捻るとか引っ張るとか、ということを右手も左手でも行います。
右利きだから右だけではなく、両方行わないとだめです。
あとは、指に絵の具つけて絵をかかせてみたり、すごくはまったのは大きな新聞紙を「よーい、スタート。」で、どれだけ細く長く契ることができるか、リンゴの皮向きの新聞紙版です。
これを競争して行うと、指先のトレーニングに非常になります。
ゲーム性がないと、飽きて行わなくなってしまうのでお勧めです。
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タングラムも時間制限設けて行うと、空間認識力も合わせてあげることができてトレーニングとして使うことができます。
そんな感じで早い段階でチャレンジしていって頂けたらいいのかなと思います。
それ以上になったら、漢字検定とかじゃない限り、マス目があるのって小学校低学年だけなのでどうにかなると思います。
マスから字をはみ出してしまうのは空間認識力、視覚認知力、感覚統合が原因ではないかなと思います。
それぞれトレーニングすることができます。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳