皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「WISC4検査と仕事って関係あるのでしょうか。」
というものです。
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WISC4検査は通常子供がとるものですとか、学校に合わせての読み取りって多くの心理士さんがすると思います。
結論から言うと、お仕事に役立てることはできます。
大前提として個人のパーソナリティは大きく変わりません。
WISC4検査のFSIQというトータルのIQがあったときに、VCI(言語理解指標)、PRI(知覚推理指標)、WMI(ワーキングメモリー)、PSI(処理速度指標)と4つに分かれています。
それぞれの得意なところ苦手なところというのが出てきます。
その個人のパーソナリティは年をとっても、大きくは変わりません。
例えば、行動が遅い人がいました。
WISC4検査で言うと、PSI(処理速度指標)が低い方がいました。
その人が年齢たつにつれて、ずば抜けて上がるということはほぼほぼありません。
特にPSIはありません。
生まれながらスローリーな人はスローリーです。
それがいいか悪いかは別問題です。
苦手なところがすごく得意になるというのは他の項目であれば、パーセントは0ではありません。
大体500~600人のWISC4検査をしましたが、7~8%くらいしかいません。
これを多いとみるか少ないとみるかは人それぞれですが、1割以下という事です。
これを考えると高くはないのかなと思います。
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だから、元々のパーソナリティはそのままになるかと思います。
ただ、トレーニングで変えられるところはあります。
苦手なところを何もしないとさらに落ちてしまうということはあります。
ではどうすればよいでしょうか。
例えば、PRIが低いということは場の空気が読めないといった、パーソナリティを抱えている可能性があります。
場の空気が読めないのであれば、場の空気を読まずに済む仕事に就けばいいという事です。
PRIの中に、空間認識の積み木模様という項目があります。
その積み木模様というのが空間認識を見ます。
もし、空間認識力が高いと手先が器用だとします。
手先の器用さは知能ではないので、WISC4検査では見ることができません。
感覚統合の世界になります。
例えば、場の空気が読めないのであれば、歯科技工士につかせたことがあります。
黙々と歯医者さんから送られてきた型を元に作るだけなので、コミュニケーションとって何かするわけではないのであまりありません。
または、ダイヤモンドの加工の会社に就職させた方もいます。
顕微鏡みたいなのを覗いて、小さい石を光がたくさん反射するように削ることなので、このような仕事にしました。
このように、パーソナリティに合ったお仕事を選べばいいと思います。
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ただ、こういうことを多くの心理士が知りません。
なぜかというと、臨床心理士であれば大学院で学んでいない、公認心理士であれば普通の会社もしくは学校の先生が公認心理士を取ったケースも多いので、分からない方が多いです。
別の考え方で言えば、料理が好きだとします。
WMIが低いと、中華料理のシェフとかは向いていません。
注文を耳で覚えて、ラーメンゆでつつ餃子焼きつつ、チャーハンも作ったりするからです。
聴覚の短期記憶の処理になります。
日本料理やパティシエだと、聴覚の短期記憶より、空間認識の方が必要になります。
ケーキの場合、1つ1つ形作っていくという様に行うので、同時処理も不要になります。
大人になってから検査するのであればWAISという検査をもとに見ていくことができます。
ただ、子供用のWISC4検査であればクリニックや学校の教育委員会とかでとってますが、大人用のWAISは精神科か心療内科でしか取れません。
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基本的な精神疾患や発達障がいがあり受診して、行う形になります。
しかし、うつ病の人にWAISの検査しましょうとはなりません。
以前、僕は統合失調症の方に検査しましたが、正しい結果は出ません。
なぜなら、お前なんか死んでしまえ、消えてしまえと耳元でずっとささやかれているのに、検査されても答えられるわけありません。
発達障がいラボでは、大人の方にもご自宅に伺い検査行っています。
16~90歳までが取れるWAISもできるのでよかったらご検討ください。
結論は、WISC4検査はお仕事に役立てることはできます。
早い段階でその人がどんなパーソナリティを持っていて、どんな仕事につけそうなのかを情報として持っているのは、僕としてはありだと思います。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳