皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「先日WISC4検査を取りました。指標得点の弱いところ、低いところは伸ばせるのでしょうか。」
というものです。
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まず、WISC4検査にはFSIQというトータルのIQがあります。
そのFSIQというものは、4つの指標得点というもので構成されています。
その4つは、VCI(言語理解指標)、PRI(知覚推理指標)、WMI(ワーキングメモリー指標)、PSI(処理速度指標)となっています。
各々の指標得点の低いところは、結論言うと、伸ばせます。
文献などには、その子は年齢が経ったとしても指標得点は変わらないと書いてあるものあるにはありますが、それは指標得点の傾向が変わらないだけです。
例えば、4つある指標得点のなかで、WMIだけ極端に低いが、他はそうでもないという子がいたとします。
WMIだけが極端に低く他はそうでもないというのは変わらないです。
他は、80でWMIだけ60だったとします。
WMIが、他の3つに比べて一番低いというのは変わらないけれど、WMIはトレーニングによって60から70や75とかに上がる可能性はあります。
もっと言ってしまえば、何にもしなければ60より下がることもあります。
だから、苦手な能力、苦手なところは何もしないと能力は下がります。
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逆にトレーニングを上手くやると、伸びる可能性もあります。
ただ、WMIが一番低かった場合どこよりも、ずば抜けて高くなるかと聞かれるとその可能性は高くないです。
10%以下です。
一応英語の文献ですが、文献によって変わると言えば変わりますが7~8%くらいと書かれています。
100人の内7,8人は他の能力より上がる可能性があるという事です。
僕も500~600人の検査結果ありますが、5~6%でした。
数が多いので、しっかり数えているわけではありませんが、大体そのくらいかなと思います。
だけど、トレーニング結構きついです。
苦手なところや自分に足りないところって一番トレーニング苦しいです。
人はどうしても楽なところに行きたがります。
苦手なところは苦しいだろうなと思いますが伸ばせないわけではありません。
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まず、どうやって伸ばしていくかを考える必要があります。
そのトレーニング方法があります。
例えば、VCIでも単語の伸ばし方、類似の伸ばし方、理解の伸ばし方とそれぞれ違います。
ちなみに先ほどお伝えしたVCI(言語理解指標)は単語、類似、理解という下位検査に分かれています。
PRI(知覚推理指標)は積み木模様、絵の概念、行列推理です。
WMI(ワーキングメモリー指標)は、数唱、語音整列です。
PSI(処理速度指標)は符号、記号探しです。
これが基本検査で10個に分かれています。
各々の下位検査によって伸ばし方は変わります。
そのため、下位検査分かっている方がトレーニング方法、伸ばし方が分かります。
しかし、通常親御さんはもらえなかったりするので読み取れる心理士さんに、何が苦手なのか所見という項目があるので文面から判断してもらうといいのかなと思います。
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では、4つの指標得点のうち何が伸ばしにくいのでしょうか。
1番伸ばしやすいのはWMIです。
次が、VCI、PRIで、一番伸ばしにくいのがPSIです。
PSIは、その子が本来持っている作業スピードを見る形になるので、中々上がりにくいです。
視覚認知力を上げるということはできます。
それはPRIにも通じています。
PRIでも、元々持っている空間認識のセンスは脳科学上3~5歳が一番伸びます。
苦手なところを伸ばしがちに親はなりますが、個人的には苦手なところは伸ばしにくいと思います。
僕はいつも言っているようにやるべきことは2つです。
得意なところで苦手なところをどうカバーしますかという話になります。
そして、苦手なところは本人が苦にならないように楽しみながら、トレーニングできる方法を遂行していきましょう。
具体的にやり方はまたどこかでお伝えできればと思います。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳