皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「うちの子は発達障がいです。言う事を聞かずにイライラしっぱなしです。どうしたら良いのでしょうか。」
というものです。
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これは、お母さんがイライラしているということでよいのでしょうか。
子どもがイライラしているのでしょうか。
ちょっと不明ですが、もしお母さんがイライラしているというケースで考えていきます。何度言ったらわかるのみたいな感じで、イライラするというのはよく聞きます。
そもそも、何度言ったらわかるのって、どういう風に捉えるのかっていうと、まずWISCをとっているのであれば、WISCの検査結果的に、WMI(ワーキングメモリー)が低いのであれば、そもそも 10回言ったら行動できるぐらいの感じじゃないとダメです。
もう心持ちはね。
だから、心の中ではい、1回言ってダメでした。
はい、2回言ってダメでした。
はい、3回言ってダメでした。
みたいな形で捉える必要があるのかなと思います。
もし、たくさん言うことによって、子供がイライラするのであれば、覚えているってことです。
子供がイライラするのであれば、覚えています。
でも、子供がイライラしなかったら、初めて聞くような素振りだったら、もう言ったよねとかじゃないんです。
だって、初めて聞いたからです。
当然、もう言ったよねって言われても、覚えてないから、言ったかどうかもわからないんです。
だから、初めて言ったよねとかじゃなくて、もう、子供がイライラするのだったら、聞いてるねと思ってください。
だったら、なぜやらないのかと。
どうすればやれるようになるのかっていうのを建設的に話していくべきではないのかなとは思います。
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だから、まずは、ワーキングメモリーありますかってことです。
もし、ワーキングメモリーが低いのであれば、何回も言わなくちゃダメだよねっていうような形になります。
そして、学校現場ではないから、多分、家庭だと思うので、紙に書いて渡すとかっていうのも難しいですが、とあるご家庭では、何時何分に何をする、何時何分に何をするっていうのは、あちこちに時間割みたいに貼っているご家庭もあります。
時計と一緒に貼っていました。
そんな時計いっぱいありませんっていうご家庭もありますが、1000円とかで、小さな時計買えます。
それで行動を改善するといいかなと思いますし、あちこちに時間を割り振るなんて、そんななんかかっこ悪いことはできませんっていう方もいます。
じゃあどうするか考えましょうよって話です。
子供に行動させることに重きを置くのか。
部屋にあちこち色々貼ってあることが、その部屋の景観を気にするのか。
どっちを選びますかってことです。
要は、僕は基本的に何もかも手に入れられるなんていうのは幻想だと思います。
例えば、子育てして、全て色々自分のやりたいことをやって、さらに子供もすくすく育って、反抗期もなく、全て満足いくような育て方ができていないじゃないですか。
みんな悩みます。
お勉強ができようができまいが。
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例えば、この前は頑張って、中高一貫の偏差値の高めな中学校に進学できることになりました、進学は決まりましたと。
でも、それでも親御さん、悩んでいます。
頑張って入っちゃった分、成績が最下位です。
どうしましょうかとか、苦しいですよね。
一生懸命頑張って入ったのに、授業についていけなくなっている。
親のプライド的には、辞めさせたくないなっていうのも当然あると思いますが、子供も友達できていると中々苦しいですよね。
でも、授業は全くついていけません、みたいな。
中々悩ましい問題だと思います。
まあ、皆悩みを持っているんですよね。
だから、何もかもっていうのは、ないんです。
かといって、何もかも犠牲にするっていうのも、おかしいと思います。
うちの母親は、すみこって言いますけれど、僕、大学の時に、ドイツ語を履修しました
母親も元々、ドイツ語専攻で、翻訳とかやっていた人間なので、母親が使っていたドイツ語の辞書でも、使おうかなと思ってもらったら、表紙開けたらこう書いてあったんですよ。
「2頭追うものは一頭も得ず」
普通は、そういう表現ってあるじゃないですか。
違うんです。
欲しいものは全て掴み取れって書いてあったんです。
かっこいいなと思いました。
変な言い方すると、1度きりなんだから、欲しいと思うものは手に入れようとしてみましょうよっていう考え方は僕はありだと思います。
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イライラして物事が変わるんだったら、イライラすればいいんです。
イライラしても変わりません。
そう、イライラして変わらないんだったら、イライラするだけ損じゃないですか。
または、関係性も悪くなります。
自分の自己嫌悪に陥っちゃったりって絶対あるじゃないですか。
イライラされた方は覚えています。
僕覚えていますもん。
色んな人にイライラされるから
では、どうすればいいのかっていう環境調整を捉えていく必要があります。
例えば、先ほどお伝えしたように、ワーキングメモリー低いのであれば聴覚の短期記憶は低いです。
低いのであれば、目で見せるようにするのか、10回言うのか。
もしくは、環境調整でルーティンの中に入れちゃいます。
alexaとかOK、googleみたいな形で、全部、何時に何をするのかっていうのを音声認識してもらうようにしました。
もう親が言うのは嫌だからっていうご家庭もあります。
それも何度も何度も同じ音だと、また慣れてしまいます。
もう風景になるんです。
だから、 1週間に1度声色っていうのかな、変えたりとか、表現を変えたりっていうのをやったりしています。
それと、お母さんが10回言うの、どっちが楽ですかってことです。
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あとは、環境調整で、ルーティンにのせちゃうっていうことをやっているご家庭もあります。
あと、やっぱり間違いがあるのが、親御さんが何もかも、しつけのことを言わなくちゃいけないって思っている方がいらっしゃいます。
僕は、親の仕事は、子供に口うるさく言うことではないと思っているんです。
要は、 うんと美味しいご飯と、安全な住居環境のもとで、すくすくと成長できるようにすることが1番だと思うので、ガミガミ言うことじゃないような気がします。
でも、言わなかったら何もしないっていうのもわかります。
だから親じゃなくて、誰に言ってもらえばその子は聞くのか。
要は、親が何を言うのかではなくて、誰が言うのかで考えていくということです。
例えば僕は、教員免許を元々持っていて、現場にいた人間です。
よく言われていたのが、靴下丸めて洗濯物の籠の中入れないとか、お母さんの代わりに言っていました。
脱いだ靴は揃えなさいとかを僕は言っていました。
食器洗ったらそのまま流しに持って行きなさいとか。
もうなんで俺が言うんだって思いながらも、お母さんの希望だから言おうって言って、僕の言うことだったら、聞く子たちは結構いたので、親の言うことは聞かなくても、僕の言うことを聞くっていうので、僕が言ってたことなんです。
なので、何を言うかじゃなくて、誰が言うかによって変わるケースがありますってことは、この人に言われたら聞くよねっていう人を何人作れますかっていうようなことをベースに考えていくのも1つなんです。
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これで行動変わるんだったらいいじゃないですか。
じゃあ、誰もいませんっていうのであれば、その人たちを作るのか、もしくは、他のご家庭でやっていたのは、このアニメの、例えばワンピースのルフィのセリフだったら聞くとか。
鬼滅の刃であれば、炭治郎のセリフだったら聞く、エヴァンゲリオンのあすかのセリフとかだったら聞くとかあるんです。
なので、そういったのを引っ張ってきて ね、そのセリフを何度も刻み込ませます。
それによって行動を変えるっていうようなことをご家庭でやっている方もいます。
最終的には、ルーティンに乗せちゃいます。
朝起きたら、歯を磨いて、顔を洗って、着替えて、みたいな形のルーティンに乗っけることができちゃえばいけます。
そのために、手をどのように尽くしていくかです。
ルーティンの中に乗せ込んじゃえば、逆にそれをやらないと気持ち悪いってことになるよねって話になります。
だから、課題としては、どのようにルーティンの中に織り込んでいくのかっていうようなねことを考えていっていただければいいのではないかなと思います。
今日は、子供が言うことを聞かなくてイライラしてしまうということについて、行動パターンの変容についても、ご説明させていただきました。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳