皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「うちの子は勉強ができるのにWISC4の検査結果がとても低かったです。これはどういうことなのでしょうか。」
というものです。
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勉強ができるって、どういう形で、できるのかがわからないのですが、たまに、勘違いされている方います。
勉強できるの中に、漢字ができるとか計算ができるっていう方いらっしゃいますが、そもそも漢字や計算って、勉強じゃないです。
あれは、覚える=勉強だと思ってる方いますが、覚える=勉強じゃないです。
だから、ちょっと、勘違いしている方いらっしゃるかなっていうのは、ちょっとあります。
だから、覚えるのを勉強だとしちゃうから、覚えるのは、皆好きではないです。
そのため、勉強嫌いになっちゃいますが、覚えるのって勉強じゃないよねっていうところがまず1個あるかなっておもいます。
じゃあ、勉強って何っていうと、思考力を問うものが勉強なんです。
だから、国語で言えば文章問題とか、算数の文章題とか、そういったものが解けて初めてお勉強ができるになるんじゃないのかなって僕は思います。
いかがでしょうか。
まあ、そんなことを言っても、勉強できるのにIQの結果が低いってどういうことなんですかって言うと、当然、WISCは全ての状況を表すわけではないんです。
WISCが低いと、それだけで、知的に何かあるんじゃないかとかって、ご心配される方いますが、お勉強が、ある程度、できるのであれば、そこに関しては、クリアできている可能性はあるのかなって思います。
そこに関してはです。
だから、お勉強に関しては、学校の基礎ができてるんだったら、あとは、やり方次第なのかななんて思ったりします。
じゃあ、例えば、忘れ物が多いとか、 お友達関係がうまくいかないとか、そういった状況があるのであれば、そこがWISCに現れている可能性はあります。
では、なぜかと言うと、学校のお勉強とかって、教わったことを使うだけなんです。
だから、教えてもらったことであれば、そのまま 覚えることもできます。
小学校であれば、教えてもらったことを、そこまで応用することもないと思います。
だから、なんとかなるけれど、日常生活においては、全てにおいて同じテンプレートの回答ってないと思います。
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例えば、朝起きて、顔洗って歯磨いて、着替えなさいとかであればテンプレートなんですけれど、 それ以外の会話ってテンプレートじゃないじゃないですか。
だから、テンプレートじゃないものに対して、 しっかり対応できてますか。
もしできてないのであれば、答えがあるもの、習ったことに対しては対応できるけれど、そうじゃないものは難しいっていうことが考えられます。
そこがWISCという検査結果に現れています。
新しいものに対して、どれぐらい取りかかれるのかに対して、
例えばそれが、苦手意識が強いとか、ぱっと出てきた時に、ぱっと答えられないとかだとPRIが低いという可能性があります。
あくまで、学校の勉強は、教えてもらったことの繰り返しっていう側面があります。
WISCは、初めて現れた人が初めてやる、よくわからないことです。
だから、不安でいっぱいです。
人間は不安に苛まされていると、本来出るはずの結果が出ないことがあると思います。
それで、上手くいかなかったのかな。
検査自体はね、うまくいかなかったのかな。
なんていうことはあるのかなっていう風には思います。
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だから、まず勉強と言っても何ができるのかなっていうところが、少し気になるところではあります。
お勉強が、本当にできているのであれば、何が苦手なのかなっていうところと、それでも、全部のお勉強が問題ないのであれば、日常生活で見ていきます。
そこがWISCとして現れているっていうところはあるのかなと思います。
もし、学校の勉強が問題ないのであれば、日常生活に対して検査結果が、どこまで現れているのかっていうところを見ていきます。
それでもです、
当然、検査は、結論言っちゃうと、 体調が悪かったりとか、本人が全然乗る気じゃなかったら、正しい結果って出ないです。
過去あったのは、A君という男の子ですが、検査結果がFSIQ100切っていて、PSI(処理速度指標)が特に低かったです。
そんなはずないよなと思って、 3年後ぐらいに、僕には懐いてる子だったので、検査取り直しました。
そしたら、FSIQ120超えてます。
PSIも、その子取った時には70下回っていて、支援が必要だとかっていう状況だったみたいなんですけれど、僕取ったら100超えてます。
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なんでって話になって、その子に聞いてみたら、検査した検査官が、すごい冷たい人で、 嫌な人で、ムカついた、だから検査ちゃんと真面目にやらなかったって答えました。
多分、悪気があったわけじゃないんですけど、たまに、いらっしゃる中には、検査官、臨床心理士とかって、レントゲン技師とか、臨床検査技師みたいな扱いで、その私情を挟んではいけない、淡々と数値を測るものっていう指導をしている大学院とかあります。
今は、その教授どうなっているか分かりませんが、そういう大学院があるっていうのは知っています。
昔の、臨床心理士学会の中でも、やっぱりそういった風潮はあったみたいです。
検査を取るっていうのが仕事で、淡々と機械的になるべく進めるみたいな感じなんです。僕は、それでも、子供が実力を出すことができればいいんですが、僕は考えてるところは そうじゃなくて、子供が、自分の能力をある程度発揮できるような環境に導いてあげる
っていうのが大事かなと思います。
やりやすいように持っていきます。
そのため、スタンスが違うといえばスタンスが違います。
この子は、前者のような淡々とやって、機械的で冷たかったとか、やだが前面に出てしまったみたいです。
その子曰く、検査適当にやったと。
信頼関係というか、ラポールも築けている僕が検査をしたら、なんとFSIQ120超えたと。
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若干でこぼこがあり、悪い感じがすると。
アスペルガー傾向の子だったので、好き嫌いもはっきりしています。
でこぼこがはっきりしている子ですが、結果的には高かったっていうことになったということもあります。
結論、IQが全てを表しているわけではありません。
しかし、何かしらかの原因があって、そのIQになっている。
それを読み解く方がよっぽど難しいんですね。
WISCが全て正しいっていうことは僕は言えません。
ただ、WISCを疑っちゃうと、もう検査の意味がないよねっていう話になります。
その数字、高いなりに低いなりに納得いくのであれば問題ないですが、納得いかなかった時に、その子の抱えている課題とどう解釈をつけていきますかと思います。
だから、学校の勉強できているのに、FSIQがとても低いって、どれぐらい低いのかわかりませんが、低いって、ちょっとおかしいですよね。
しかし、日常生活でうまくいかないことがたくさんあったなんていうことはあります。
そこに照らし合わせることができるっていうのもあります。
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あと、ボロボロに疲れた状態でWISC取ると、検査結果下がります。
過去あったのは、小学校で、6時間、7時間かな、授業を受けて、そのあと部活動もやって、やめればいいのに、そのあと検査取りに来た子がいるんですが、疲れて疲れて、もう半分目を目うろうろしながら検査して、当たり前ですけれど、ボロボロの検査結果出ました。
そりゃそうです。
そんな疲れた状況で、正しく検査はできません。
だから、 そういったことも加味した上で、読み取りっていうのをする必要があるのかなっていう風に思います。
なので、読み取りの方がよっぽど難しいっていうのは、こういうことになります。
今日は、勉強できるのにWISCのIQが低いということについてお話ししました。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳