皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「うちの子は行動が遅いです。どうしたら良いのでしょうか。」
というものです。
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行動が遅いって、何が考えられるのかというと、もし、WISC4検査とっているのであれば、PSI(処理速度指標)はありますかっていう形になります。
処理速度指標が低いと、ぶっちゃけ行動を取るのは遅いです。
学校の授業において、板書の書き取りが遅いとかっていうのも当然当てはまりますが、それ以外に、いろんな行動が遅かったりします。
急ぎなさいっていうことがもしあった場合、怒って早く行動できるんだったら、怒ればいいんです。
怒って早く行動できるのであればねいいです。
でも、怒ってもどうにもならないことってあるよねって僕は思います。
例えば、怒って100メートルを10秒で走れるんですか?
僕ね、運動全くできません。
運動嫌いです。
だから、怒られようがなんだろうが、無理なものは無理なんです。
あと、 PRI(知覚推理指標)低くても行動が遅い場合っていうのがあって、どういうことかというと、PRIって、先の見通しを立てたりするものです。
そこが低いってことは、先の見通し立てられないんです。
例えば、じゃあいついつにこれを、完成させておくために今はこれをやっておく必要あるなとか、そういった先の見通しって立てられるようにするものだと思います。
先の見通しが立てられないと、いつどのタイミングで何をやっていけば効率が良いのかっていうのが見えないんです。
要は効率化がうまくできない可能性が出てきます。
効率化できないってことは効率的じゃないんです。
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要は、2度手間、3度手間に、物事がなっている可能性があるよっていうことです。
ていうことは、2度手間、3度手間の行動って、当たり前ですけど、早くはないよねって話です。
だから、 PRIが低いと先の見通しが立てられない、だから行動が遅いっていうパターンもあります。
あとは、対社会的な一般常識をみる項目、WISC4検査のVCI(言語理解指標)の中に理解という項目があります。
その理解という項目、対社会的な一般常識ですが、 例えば何を行動するかによって変わりますが、このタイミングでこれ終わってないとやばくないっていうようなことっていうのも一般常識なんです。
だから、常識的に、このタイミングでこれ終わってるのがベストだよねなんていうものって大体あると思います。
例えば、もし宿題を9月1日に出さなくちゃいけないのであれば、せめて8月30日までには終わっていて、31日にチェックだよねとか、そういうのってあるじゃないですか。
そういった、常識的にこうだよねっていうのありますよね。
だから、先の見通しでPRIがあって、先の見通し立てられればいいですが、立てられなくても、 一般常識によって、一部分賄うことができたりします。
じゃあ、その一般常識がないと、常識的にこうだよねっていうのがわからないから、 ゆったりしてしまいます。
元々の、マイペースっていうのはあると思いますが、ゆったりやることによって、 行動が遅れていってしまうっていうことがあるかなとは思います。
マイペースが悪いわけではないんです。
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じゃあ逆にせっかちだったらいいのかっていうと、せっかちな人の場合って、僕もADHD傾向があるので、せっかちな部分も若干あります。
せっかちな人っていうのは、今度は飽きやすかったりします。
だから僕、めちゃめちゃ飽きやすいです。
飽きやすいってなった時に、何かが終わりきっていないのに、もう次のことをやっちゃったりします。
ちゃんと全部完成させてから次行けばいいのに、こうやってる途中で飽きて、次行きたくなります。
それで次やっちゃうみたいな。
やっぱりやっちゃうんですけれど、せっかちだと、そういうことも起こり得る場合もあるんです。
せっかちでも、ちゃんと完成させてから次に行く人もいれば、僕みたいにせっかちすぎて、終わってないのに次に行くみたいな人もいるので、それはもう、性格的なところで、特性+性格的なところっていうのにもなってきたりします。
では、それもひっくるめてどうするのかというと、社会的な一般常識、何が効率的かって言うと、全部しっかり終わらせて、心残りがないんじゃないのっていうような、意識を持てるかどうかとかっていうのにも関係してくるわけです。
だから、一概にこれがいいとか、これがベストだっていうのはやっぱりないです。
結構、昨日の夜もそうですが、いろんな方のカウンセリングにのっていると、一撃必殺技みたいのが、あると思っている人います。
学校行きたくありません。
“これやれば誰しもが行く気になります“なんて、そんなもんないんですよ。
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行動が遅いは、PSI(処理速度指標)が低くてマイペースな子って、地震があっても、火事があってもマイペースだったりします。
ディスるわけじゃないです。
そういう特性だってことです。
だから、逆に言えば、何か重大事件が起こっても、もしかしたら冷静でいられる可能性もあるよねっていう見方もできなくはないんです。
だから、やっぱり全てに対して表裏一体なのかな、なんて思ったりもします。
一長一短はありますが、もし、早く行動させたいのであれば、先の見通しを立てるスピード自体をあげるっていうことは難しいんです。
だから、先の見通し立てられるようにします。
それはトレーニングで、先の見通しを立てられるようにしたり、社会的な一般常識力を高めることによって、いつ、どのタイミングで何が終わってた方がいいのかっていうのを具現化してみるっていうような形を取ったりして、補えるのかなっていう風に思います。
あとは、何をどのようにさせていくのかによって若干変わってきます。
一概にこうとは言えませんが、そんな手法がありますよということです。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳