皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「息子はADHDです。じっとしていることが苦手です。どのようにお勉強を定着させていけばよいのでしょうか。」
というものです。
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ADHDは、注意欠陥多動性障害とか、注意欠如多動症とか、いくつか呼び名というかね、
言い方があると思います。
まず、覚えておいていただきたいのが、 ADHDって、ずっと動いてるわけではないよっていう話です。
マグロのように、寝ながら動いてますみたいな海遊魚とは違って、 当然、動くタイミングもあれば、止まってるタイミングもあるよっていう話です。
静と動です。
まずは、波を捕まえるっていうようなことを、やっておくといいんじゃないかなっていう風に思います。
とある学校では、ADHDの子、休み時間に思いっきり動かして、なんだったらもう校庭で1人で外をぐるぐる走る。
要は、虐待になったらあれなんですが、もうすっごい動き回るぐらいな形で動き回らせて、 そして授業のタイミングで、ちょっと静かになったりするんです。
それも生徒等を教員側、こちら側でコントロールしているっていう話になります。
だから、ご家庭でお勉強させる時も、ひとしきり動かす。
なんだったらもう、 スクワットとか、腹筋とか、家の片付けを思いっきりさせるとか、ゴミ出しさせるとか、そのような形をとって、動かしてから、お勉強に定着させるなんていうようなことをやっているご家庭もあります。
あとは、今、年齢がいくつかわからないんですけれど、 お薬で、コンサータとか、抑肝散とか出るのかなとか思いますが、もし、お薬が出るのであれば、そのお薬を服用するっていうのも、1つですが、お薬自体、一生飲む薬ではないんです。
一生飲む薬ではないので、お薬を飲んで、何を定着させますかっていうのが、大事になります。
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その時に、SST(ソーシャルスキルトレーニング)です。
要は、対社会的な行動スキルみたいなものです。
そこを身につけさせていくっていうのが大事なんです。
だから、どういう場面で、どのような行動をとるのか、どういう場面で、どのような言動をすればいいのかっていうようなことを、 知識として、行動パターンとして、入れ込んじゃうんです。
それができれば、ADHDの特性があったとしても、優先事項が変わります。
動きたいというところから、こう行動しなくちゃっていう、その優先事項をどのように変えていくかっていうのも大事なのかなと思います。
そして、SST(ソーシャルスキル)を、身に着けていくのと合わせて、今度は対社会的な一般常識力を上げていきます。
WISC4検査は知能検査です。
VCIの理解が対社会的な一般常識になります。
その理解をあげることによって、 先ほどと同じように、どういう場面でどういう行動をしなくちゃいけないのか、そして、そのためにはどういう考え、どういう思考が必要なのかっていうようなことを理解させていくことができるんではないのかなという風に思います。
なので、ADHDの子には、動くと、止まるというか、静と動の波をコントロールして、ひとしきり動かした後、どのように学習を進めていくのか。
その学習も、ただ、じっと聞くだけなんて、もう、つまらなすぎてできないので、漢字とか言いながら覚えるとか、書かずに覚えるっていう方がありますし、 耳で聞いて記憶するトレーニングっていうのは、歩きながら、動きながらでもできます。
だから、お散歩しながら、お勉強するなんていうようなことも、場合によっては、出来たりします。
だから、ご家族と日課でウォーキングをやってるとか、そういったご家庭であれば、なおさら、歩きながら、動きながら少しでも、漢字を覚えさせていくとか、単語を覚えさせていくっていうのを、やってみてもいいんではないかなという風に思います。
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いかがでしょうか。
発達障害ラボ
室長 車重徳