皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「先日、息子のWISC4検査を取りました。PSI(処理速度指標)が低かったです。どうしたら良いのでしょうか。」
というものです。
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まず、WISCを取る理由ってどういうことなんですかっていうことです。
WISCをとる理由って色々あるとは思いますが、 僕は得意なところと苦手なところを調べる。
そして、なぜ得意なところと苦手なところを調べるのかっていうと、苦手なところをトレーニングで伸ばしましょう。
そして、得意なところで苦手なところをカバーできますかっていうことです。
処理速度だけだといまいち見えませんが、もし処理速度を鍛えるのであれば、そもそもとして処理速度は鍛えにくいです。
先に言うと、WISC4検査にはVCI(言語理解指標)、PRI(知覚推理指標)、WMI(ワーキングメモリー指標)、PSI(処理速度指標)と4つあります。
その中で、1番伸ばしにくいのはPSI(処理速度指標)です。
しかし、対策はあります。
まず、処理速度指標というものがどういうものか分解します。
どのように分解するかというと、処理速度っていうのは、目で見て、それを記憶するっていう短期記憶の要素もあります。
作業スピードばかりだと思ってる人がいますが、視覚の短期記憶ってPSIです。
だから視覚の短期記憶を上げましょうということができる。
では、視覚の短期記憶ってどうやってあげるのかというと、簡単な話だと間違い探しです。
間違い探しっていうのは、やったことあると思いますが、絵が2枚あります。
片方の絵を自分の目で見て記憶して、頭の中だけでもう1枚の絵に重なってる。
その時に、まるっと全部見て記憶できる人もいれば、一部分しか記憶できない人もいます。
記憶っていうのは、容量と保持時間に分割できます。
容量と保持時間という尺度で考えられるって感じです。
だから、その時にまるっと全部、記憶できないっていうのは、容量が足りないよっていうことになります。
だから、間違い探しの時、「右上だけ見て記憶しよ。左上だけ見て記憶しよ。右下見て記憶しよ。左下見て記憶しよ。」っていう風に、第1象限、第2象限、第3象限みたいな形で分割するっていうのは、容量が足りないということになります。
繰り返し、交互に、右、左、右、左ってね、瞬時に見てる人はもう保持時間が短いっていうことにはなります。
実際そんな風に考えていきます。
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もう1個が神経衰弱です。
意味刺激、無意味刺激っていうのがありますが、数字とか、意味のない記号は無意味刺激です。
トランプで言うと、数字もスペードとかダイヤとかハートとかもです。
意味のあるものっていうのは、りんごとか車とか、バナナとか、そういったものです。
神経衰弱は難しいので、52枚全部で難しければ2種類にして、10枚、10枚に分けてやるっていうのも1つの手です。
僕やっていたのは、公文カードを2種類買って、食べ物バージョンです。
リンゴとリンゴ当てるとか、みかんとみかん当てるとかっていうのをやってたりします。 車のカードもあるので、同じ車の車種当てるとかしていました。
昔、現場に出てた時はAKB全盛期だったりしたので、 AKBのカードを買って、その子が可愛いって言う推しメンとか当てます。
当時全盛期だから、前田敦子とかがまだいた時代です。
自分の推しメンだけ当てるともう嫌になっちゃうから、しょうがないからまだこだけ何枚も用意したとかって、そんな記憶もあります。
だから、神経衰弱と間違い探し、あともう1個入れるのであれば、沢山ある情報の中で必要なものだけを見つけ出すっていうことを選択的注意という風に言います。
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学校の授業で言うと、先生が黒板にたくさんの文字を書きました。
ノート書いていますが、「あれ。さっきどこまで書いたっけ。次どこから書くんだっけ。」なんて、何度も何度も見返して探したりっていう子も中にはいると思います。
これは選択的注意が低いということになります。
例えば、本屋さん行きました。
欲しい本をずっと探してる人いますよね。
でも、ぱっと、これってすぐに背表紙見ただけで取れる人もいます。
ずっと探して見つからないって人もいれば、ぱっと見つかる人もいます。
この違いかなと思います。
これが選択的注意です。
これを鍛えるってどうするのでしょうか。
これは色々本出てます。
まずは沢山あるものの中から必要なものを見つけ出す。
まず1個はウォーリーを探せです。
次、ひょっこりはん、みっけ。
こんな感じのもので鍛えられます。
家庭で作れる物であれば、無意味刺激にはなりますが、文字探し。
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例えば日曜日の日、日という漢字が100個ある中で、1個だけ漢字の目を混ぜてさがすとかやりました。
そんな感じです。
アルファベットのfの中に1個だけtがあるとかもしました。
それは、簡単にワードで作れます。
あともう1個あげるとしたら、点つなぎ、dot to dotです。
1から2、2から3、4、5って、線を繋いで、あの形が出来上がるようなっていうあれです。
あれも選択的注意が上がります
そんなのものをトレーニングに入れてみては、いかがでしょうか。
各スピード自体はなかなか上がりません。
しかし、もし上げるのであれば、親指、人差し指、中指を上手に使うっていう感覚統合の観点で物事を捉えていくという形になります。
親指、人差し指、中指を上手に使う、なんか小さいものをつまんだり、ひねったり、ねじったりとか、ちぎったりとかっていうことをします。
そんなことで鉛筆の操作が上手な子になったりします。
そんなことをやってみてはいかがでしょうか。
PSIが低いと、不登校になりやすいです。
不登校の3要件ってあって、まず1つ目が、授業、お勉強についていけない。
2つ目が、お友達とのトラブル。
3つ目が、先生との相性っていう風に言われています。
授業についていけないことがつながってきます。
ほぼほぼ板書を書くのが苦手です、嫌いです。
PSI鍛えるというか、視覚の短期記憶だけを鍛えるっていうのも、ありなのではないかなっていう風に思います。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳