301【WISC4検査】#174 WISC4検査のWMIだけが高いです。どのような学習方法があるのでしょうか。

皆さん、こんにちは。

 

発達障害ラボ室長の車重徳です。

 

さて、こんな質問を頂きました。

WISC4検査についてWMIだけが高い場合、どのような学習方法があるのでしょうか。

 

というものです。       

 

 

 

 

WMIて何かと言うと、聴覚の短期記憶です。

VCI(言語理解指標)は、言葉を理解して使いこなす力。

PRIは、視覚だけの認知能力って思っている方いますが、様々な情報を頭の中で構成する力です。

WMIは聴覚の短期記憶。

PSIが作業スピードとか、同時処理とかっていう形です。

 

WMIって聴覚の短期記憶なので、みんな間違えているのが、例えば、漢字覚える時に 書いて覚えると思います。

僕、WISC検査5600人取っていますけれど、みんなに聞きます。

例えば、漢字テスト、小テストがありました。

その小テストで、例えば10点満点中、半分間違えて5点でしたってなった時に、間違えた漢字10回書きなさいって言われるよねって言うと、みんな言われると言います。

その間違えた感じ漢字で10問中5問間違えたら5問を10回書いて必ず覚えられる?って聞くと、ほぼほぼの子が覚えられないって言います。

 

書いたって覚えられません。

そもそも書くことが目的にしちゃっています。

書くことを目的にしちゃってる時点で覚えない。

 

覚えるを目的にしなくちゃいけないのですが、なぜか書くなんです。

書いたって覚えられないのに誰が書かせているの?っていう話にもなりますが、今回WMIですね。

じゃあ、なんでここで漢字の話したのかっていうと、そもそも漢字言って覚えるという覚え方があるんです。

要はそれは読みを言う。

まずは読みっていうのは大事です。

 

読めないものは書けません。

読み方がわからないものを必死に書き方、書き順を覚えようとしたって、読めません。

書けません。

だから読めるようにするっていうのはありです。

 

 

 

 

だけど、漢字を書かずに言って覚えるっていうやり方があるんです。

それもいくつかあります。

例えば、まずは漢字を分解します。

要は、言葉だけだと、ちょっと説明しにくいのですが、例えば、言遍であれば、点横横横口とかって教えます。

実際、そういう本も売っています。

発達障害ラボのホームページにもリンクつけているので、よかったら見てみてください。

小学生分の全部の漢字は売ってます。

 

または、 物語にして覚えるっていう覚え方があります。

その物語っていうのは、その漢字の部品部品をお話にしてるんです。

だから、例えば、緑という漢字がなぜ生まれたのかっていうのを緑の遍と作りに分けて、さらにそれを細かく分解する形でストーリーにしています。

そうやって覚えるという覚え方が実際あります。

だから、もしWMIが高いのであれば、よくWMIが高い子って耳で聞いて覚える方が早いです。

 

 

 

 

わかりやすい例で言うと、例えば小学校2年生で九九ってやると思います。

いんいちがいち、ににんがさんって、 昔は全部声に出して覚えてたじゃないですか。

あれ、なんで声に出して覚えてるのっていうと聴覚の短期記憶を刺激しているんです。

要は、自分の声に出すことによって、自分の声を自分の耳で聞いて記憶します。

聴覚の短期記憶で曲を覚えてます。

そうじゃない子は、目で見ます。

要はフラッシュカードみたいな形で。覚えた方が早い子もいます。

これは、 視覚認知が強かったり、視覚の短期記憶が強い場合です。

聴覚の短期記憶が強い場合は、耳で聞いて覚えちゃおうよって話です。

 

そして、WMIが高い場合は、ただ単純に耳で聞く力っていうのは強いのですが、WISCの他の指標よりWMIが高いのであれば、視覚とかより聴覚の方が高いです。

その聴覚を、もっと高く、さらに高くするためには、耳で聞く情報をメロディーをつけたり、リズムをつけたり、ラップソングにしたりします。

それによって記憶の定着力は上がります。

確率も上がります。

九九の歌ってありますよね。

あんな感じです。

 

九九の歌とか、都道府県の歌とか、県庁所在地の歌とか、いっぱいありますね。

ああいったのって今いっぱいあります。

ああいったので覚えた方が、記憶の定着力って高まります。

メロディーってやっぱり強いです。

歌詞よりメロディーの方が記憶に残るじゃないですか。

 

よく聞いた歌でメロディー浮かぶけれど、歌詞がめちゃくちゃな子いませんか?

歌詞を記憶するよりメロディーの方が残るってことは、聴覚記憶としてはメロディーの方が残るということです。

それと合わせて残しちゃおうってことです。

これは脳科学上も明らかなんです。

 

 

 

 

なので、聴覚で漢字を入れることもできるし、様々な情報を聴覚で、例えば語呂合わせみたいな形で覚えちゃおうみたいな覚え方もあります。

なので、なんでもかんでも書いて覚えるかっていうと、書かなくていいです。

もっと言っちゃえば、もしWMIが高くて、PSI(処理速度指標)が低いのであれば、学校の板書は取っちゃダメです。

だって、聞いていれば覚えられるのに、PSI低いと書く力が弱いので、書くことに集中して、聞くことがおざなりになってしまいます。

じゃあ、ノートとって、どれだけの人が記憶しているのでしょうか。

ほぼほぼ記憶してないですよね。

 

ノートがちゃんと書けた=勉強できるじゃないですよね。

逆にノートを綺麗に綺麗に書きすぎる、またはまとめすぎる人は成績って上がってなくないかなって話です。

ノート綺麗だねって褒められる。

でもその人成績いいの?って言うと、ノートを綺麗に仕上げることを目的にしすぎちゃって、 覚えていなかったり、理解していなかったりするよねって話です。

こういうケースって僕結構見るんです。

 

だから目的はノートを書くことでもなんでもないんです。

その時その時の授業で聞いて覚えるとか、聞いて理解することが目的なんです。

それを書くこと、ノートを仕上げるとか、いろんな色を使うとかで、そういうことを目的にするからです。

うまくいかない、または授業についていけないなんていうことが起こってしまいます。

せっかくWMIが高いのであれば聞いていればいいです。

それがうまくいかないっていうのは問題なんじゃないのかなと僕は思います。

 

いかがでしょうか。

 

 

 

 

発達障害ラボ

室長 車重徳

 

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