皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「放課後等デイサービスで働いています。ある子が虐待をされているような気がしています。どうしたら良いのでしょうか。」
というものです。
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さて、どうしたら良いのかというより、虐待は 全ての国民に課せられた義務です。
これは児童福祉法に定められている義務です。
なので、すぐに児童相談所に通告してください。
親に伝えてとか、そういったのって難しいというか、多分、通ってらっしゃる方または学校の先生もそうなんですが、なかなか解決しないと思います。
それで、親がわかりました、虐待もしませんって言えばいいけど、そうじゃないよねって話です。
余計隠そうとしたりするので、もう児相はしっかり、関わっていくしかないと思います。
僕なんて一時期、ちょっとでも疑わしかったら、ガンガン児相に連絡してる時がありました。
もう僕自身、こちらがどう思われようと関係ないです。
またかかってきたよぐらいな感じで思われたって別に構いません。
それで子供1人の命が守れるんだったら別に構わないと思っています。
児相に連絡しても動かなかったケースもやっぱりあります。
警察で言うと令状がないと動けないっていうのとかとあるように、児相もやっぱり、動けない案件もあるんです。
わかっています。
ピンポーンって言って出なかったら何もできない。
ピンポーンって言って、お母さんと直接会うことができない、子供を確認することができない。
勝手に、ドア押し破って中に入ってっていうのはできないんです。
それは実は警察も一緒なんです。
何もないとできないっていうのがあるんです。
そういった、法律でがんじがらめになってるのもあるので、なんで児相動かなかったんだとかって怒る人がいるんですが、児相も、動けない理由っていうのがわからなくもないんです。
だからといって、子供がなくなっちゃっていいわけでは当然ないんです。
ただ、連絡しなければ何も始まらないっていうのがあるので、まずは、連絡しましょう。
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もし、可能であれば子供から、いろんな話を聞くっていうのが1つかなと思います。
僕自身、塾で働いてた時に、こんな子がいました。
Rちゃんっていう女の子なんですけれど、夏、6月ぐらいかな。
とある子が、腕に傷をつけてきたんです。
なんか、Tシャツ、ロンT着ていて、めくった瞬間、腕に線がいっぱいありました。
「どうしたの。これ」って聞いたら、「お母さんに定規で叩かれた」と。
どうやらその子は、小2だったんですが、「クラスの中で九九が全部言えないのって私だけなんだ。だからお母さんが間違えたら定規で叩く」って言っていました。
その子は、私立の小学校の子で結構教育熱心なご家庭のお母さんでした。
ほぼほぼ毎日習い事とかバレエとか色々入っていて、 週に1回ぐらいしか休みがない状態でした。
そんな感じの方でした。
「先生、私が悪いの。私がね、九九覚えないから、ママが定規で叩くんだ。だから私が九九覚えたら、ママ定規で叩かなくなるから、先生、勉強教えて」 そう言ってきたんです。
こちらはもう涙が止まらなかったです。
上手な覚え方を教えて、成績が上がっていきました。
そしたら、僕も認められたのか、個別指導で受けていた子だったんですけれど、「先生、ママも、すごく喜んでくれて、叩かれなくなった」と。
そのあと、国語もやってほしいって言われて、国語もやっていたんですけれど、結局、限界が来るんです。
言っちゃえば限界が来て、また叩かれ出してくる。
その子は否定していました。
やっぱり、そんなの否定しきれなくてっていうのがあって、僕、お母さんに言っちゃいました。
「もう子供叩くのやめてくれ、こっちでなんとかするから」と。
そのあと塾には来なくなりました。
なので、まだこういった児相とかが、公になるだいぶ前、何十年も前の話ではあるんですけれど、 やっぱりありました。
その方、今どうなっているのか分かりませんが、悲しいことがあったななんていう風に思い出しました。
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虐待で言えば、2018年に般若っていうラッパーがいます。
有名なラッパーで、MCバトルとかで、レジェンドと呼ばれている方です。
ラップバトルのレジェンド。
今、R指定が王者になっています。
その、第1回というか、初代王者の般若です。
その般若が、2018.3.2っていう楽曲を発表しました。
その楽曲っていうのが、児童虐待防止を目指している。
どういうことかっていうと、2018年3月とか、何があったかっていうと、5歳の女の子のゆあちゃんかな。
虐待死が発見されていた事件で、その時、般若っていうラッパーが息子さんがいて、息子さんと散歩していて、家に戻るその瞬間に、家の前に、消防車とか救急車とか止まっていて、なんだろうと思って、家の目の前入ったら、その方の般若さんの目の前のマンション の1室から、タンカーで、女の子らしき人が運ばれていて、もう完全にかかしかと思うぐらい痩せこけて、傷だらけで、それをバッチリ見ちゃったって言っています。
自分が住んでいる目の前でそんな虐待が、されていた事実も知らなかったし、そこに、こんな5歳の女の子が住んでることも知らなかった。
そして、かかしのように痩せこけて、タンカーに運ばれる姿をその般若さんと息子さんだけが偶然見かけちゃって、他の方は、要は出てきてなかったそうです。
もう後悔に後悔を重ねて、気づいてあげられなくてごめんねっていうような詞を、書いているんです。
よくありますよね。
なんかお椀の上かなんかに立って、5歳の女の子が漢字の練習をして、「ごめんなさい、ごめんなさい、もうしません、許してください」って、必死にノートに書きたぐっていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、許してください、許してください、許してください」とか、あの事件です。
あの事件の、目撃というか、亡くなった後の目撃者です。
楽曲発表していいのかすごく悩んだそうです。
でも、 やっぱり虐待の事件がなくなってほしいっていう、その思いから発表したそうです。
もしよかったら、それも聞いていただけたらと思います。
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あの歌詞も見ると、なんとも言えない気持ちになるというか、涙が止まらない方もいるのかなって思います。
僕も、昔のことも思い出したりもしますし、なんとも言えない気持ちにはなるんですが、ぜひぜひ、聞いてみていただけたらと思います。
じゃあ、そんな偉そうなこと言って、お前が全員保護できるのかっていうと、できないです。
はっきり言います、できないです。
できないけれど、社会として、虐待あるこの世の中が、僕はいい世の中だとは思わないので、特に、障害抱えてる子は、虐待を受けやすいっていうのが、当然あります。
それは、数字としても出ています。
出てるので、尚更なくなってほしいなっていうか、なくなるために何ができるのかなっていうのは、みんなで考えていっていいのかなという風に思います。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳