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367【発達障害】#241 WISC4の指標間の差が大きいです。認知のバラつきは発達障害の子によくあるのでしょうか。

皆さん、こんにちは。

 

発達障害ラボ室長の車重徳です。

 

さて、こんな質問を頂きました。

WISC4を取りました。指標間に有意な差数値としては41がありました。日常生活の困りごとはなく、発達障害の診断等はないのですが、こういった認知のばらつきは発達障害の子供に多いのでしょうか

 

というものです。       

 

 

 

 

実際、有意差って、どう捉えているんですかっていう話なんです。

有意差って、要は、 偶然なのか、意味のある差なのかっていうところなんです。

その意味って、どうやって解釈しているのでしょうか。

こちらの方は、多分違うとは思うんですが、多くの方が、有意差って、説明ちゃんとできてるの?っていう話にまずなります。

 

まず、ここが1点と、あともう1点は、認知のばらつきを、発達障害の子供が多いのでしょうかっていうとこです。

まず、有意な差って、要は、冒頭お伝えしたように、意味のある差なのかどうか、偶然なのかどうかっていうところになってきます。

それって子供の状態を見るのに必要な情報なのかっていうと、僕は、その意味が見出せないのであれば、意味がないと思っています。

だから、日常生活の困り事がないのであれば、僕は特に気にする必要はないのかなと思います。

 

有意さに対しては、発達障害の子=認知のばらつきが多いかどうかっていうのは、やっぱりちょっと違うと僕は思っていて、でこぼこの差が激しいと発達障害なんていう風に、みなすことはしません。

発達障害の診断は、dsm5とかicd10を見て診断するんですが、そこに認知のばらつきが多いっていうのは なくはないんです。

そうは書いてないです。

例えば自閉症でWISCを用いて説明すると、自閉症の3つ組とかって言われてたりすると、コミュニケーションの欠如、社会性の欠如、想像力の欠如、それって何らかの形で検査結果に出ているケースっていうのもあります。

 

 

 

 

ただ、発達障害ラボの、WISCの研修受けてる方はお分かりだと思うんですが、がっつり自閉症でも、 例えば、VCI65PRI58WMI61PSI53とか、そういったプラスマイナスで10ぐらいの幅で推移するケースが結構あるんです。

それでも、ASD、自閉症だったりします。

だから、 発達障害と自閉症は違うんだっていう見方もあるのかもしれないんですが、一緒っていうか、特定不能の発達障害があって、その中にASD、自閉症スペクトラム障害が、発達障害があるのかななんていう風に思ったりもします。

 

まあ、結論は今困っていないのであれば気にする必要はない。

だけれど、発達障害の子に認知のばらつきが多いっていうのはそうではなくて、診断出てなくても認知のばらつきは高い子はいます。

そして、発達障害があっても認知のばらつきが低いと思います。

これ、認知のばらつきっていうのもあれなんですけど、PRIが高いのか、低いのかかと思います。

WISCのでこぼこってそもそも認知のばらつきじゃないです。

細かいところ突っ込んじゃってすみません。

 

VCIは言語理解指標だから、 言葉をしっかり汲み取って、しっかりフィードバックできますかというか、 意味を理解した上で使いこなせてますかっていうところだし、

PRIは知覚推理指標で認知というところが関係しています。

WMIはワーキングメモリーですから、聴覚情報をしっかり認識した上で、短期記憶として、イヤコニックメモリーになったりもしますが、保持できます。

 

処理速度の視覚の短期記憶っていうのは使うので、選択的注意まで合わせると、視覚の認知みたいな形、あとは、同時処理とか継次処理っていう作業スピードになるんです。

だから、認知って捉えてもいいんですが、そうじゃないっていうのもあるので、まあなんとも言えないんです。

結論、 WISCのバラつきが大きいっていうのは、困りごとがないのであれば、今は気にする必要はないのかなというところです。

 

 

 

 

バラつきは発達障害に、多いかどうかっていうと、ばらつき多い=発達障害っていう診断でもないし、発達障害の子でもばらつきは少ない子もいるというところです。

今はってお伝えしてるのはなぜかというと、差が大きいと、後々、困難を要する可能性もある、でも、うまいところが当てはまれば、認知のばらつきが大きくても、ばらつきが大きくても、要は大体的な能力を保持できていれば、クリアできる可能性なんです。

 

わかりやすく言うと、例えばPRIが低かった。

PRI(知覚推理指標)が低かったとしても、もし、VCI(言語理解指標)が高いのであれば、PRIって、場の空気読む力とか、先の見通しを立てる力に繋がるんです。

PRIが低かったとしても、VCIの理解って、対社会的な一般常識が当てはまるんです。

だから、仮にです。

場の空気が読めなかったとしても、 一般常識的に、誰が、いつ、どのように行動すればいいのかっていうことを一般常識として理解、認識できているのであれば、大きな問題が起こらないことがあるんです。

問題として表面化されないということがあるんです。

 

なので、ばらつきが大きくてもうまく対応できてるうんっていう可能性はあるのかなと思います。

または、聴覚の短期記憶、WMIが低かったとしても、 例えばもしPSI が高いのであればWMIが低かったとしても視覚の短期記憶のPSIあればいいのかななんて思う方います。

それも1つの考え方です。

 

 

 

 

1つの考え方なんですが、例えば音楽の授業とか、 聴覚刺激しか入ってこないような場所ってあると思うんです。

音楽の授業で笛を持ちながら片手にメモ帳と鉛筆持ってメモるかっていうとそうじゃないじゃないですか。

だから、WMIが低い。

その中で先生に指示を出された。

ちゃんと聞き取れなかったら、何をすればいいのかわからない。

でも、PRIが高いと、周囲の状況を受け取ることができる。

周りは何をしてるかをしっかり理解する。

 

その上で、周りに合わせて行動ができるということがあるんです。

これが、苦手な能力、苦手な指標を得意なところで補うということなんですね。

 

ちょっと、細かい指標がわからないんであれなんですけれど、そんなふうに、苦手なところを得意で補うことができるんです。

うまくそこが作用すれば、でこぼこ大きくてもなんとかなります。

だけれど、それがうまくいかなくなる時があります。

いかなくなる可能性はあるよって感じです。

 

うまくいかなくなった時にどうしますかっていうのが1つのポイントかなって僕は思うんです。

だから、その時に、テクニックをどのように使っていきますかというとこです。

要は、先々の不安を、ずっとしまくっちゃってもしょうがないので、その可能性があるよ

っていうことだけでも、僕は覚えておければいいんではないのかなという風に思いました。

 

いかがでしょうか。

 

 

 

 

発達障害ラボ

室長 車重徳

 

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