皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「担任の先生の勧めで、先日WISC4検査を受けました。パーセンタイルってなんなのでしょうか。」
というものです。
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さて、WISC4検査をお取りになったんですね。
WISC4にも5にも、パーセンタイルっていう数字があります。
基本的には、皆さん合成得点で、IQのことなんですが、合成得点ばかりに、目を取られてしまうっていう方は多いと思います。
だけど、合成得点だけだと、判断できないことというか、わかりにくかったりするんです。
なんでかっていうと、 例えば、学校のテストで考えると、やっぱり100点満点じゃないですか。
学校のテストの100点満点を基準とした考え方っていうのが、変な言い方だとはびこんでいて、例えば70って聞いたら、なんか結構高いような気しちゃうじゃないじゃないですか。
例えば合成得点80、要はIQ80って聞いたら結構高いと、70もほぼほぼかななんて思っちゃったりするケースってあると思うんです。
WISCってどういう検査から算出されてるかっていうと、正規分布曲線で、簡単に言うと、例えば大学受験とか高校受験の時に、偏差値っていうのを、皆さん見るというか、確認されてると思います。
その学校選びの際の偏差値っていうのが、ミニマムが25、マックスが75、中央値、要は50という形で、出している数字だと思うんです。
また、東京大学、東大の理三とか、偏差値83とか、ちょっとわけわかんない数字が出たりするんですが、一応ミニマム25で、マックス75みたいな考え方じゃないですか。
WISCってミニマム40でマックスが160なんです。
40から160の幅があるというものなんです。
その中央値が100です。
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その際に、何歳何か月までWISCは読むんです。
簡単に言うと、例えば、10歳の子がいました。
10歳0か月の子と10歳11か月の子では、まるっと能力1年分違うよねって話です。
なので、WISCではそこまでを考慮して、何歳何ヶ月までを見ましょうという形になってるんです。
その時に、例えば10歳何か月でした。
IQが75でした、 パーセンタイルが出ますと。
その時にパーセンタイルどう見るかっていうと、当該年齢レベル、その検査をした当該年齢レベルの子を無作為抽出で100人集めました。
その時に、大体100人集めたら、その子の下に何人いますかっていうのがパーセンタイルなんです。
だから、例えばパーセンタイルが10でしたってなったら、その子のIQは100人の子、100人のその何歳何ヶ月の子がいたら、その子の下に10人いますということなんです。
つまり、上から見ると90番目に値するってことなんです。
上から見て90番目だけでも、そんなに高くはないじゃない、 どっちかっていうと、低めかもしれない。
そうなるはずなんです。
そうなった時に、パーセンタイルってIQ80だとどれぐらいなのかっていうと、基本的には、どれぐらいでしょうか。
だいたい、パーセントで9です。
FSIQで考えると、 IQ80の子のパーセンタイルって、9ってことは、もう上から91番目ってことです。
じゃあ、100人いて、上から91番目でも、ちょっと低いなって思いますよね。
もっとわかりやすくすると、それを半分にすると、大体50人。
50人にすると、単純に9を半分にすると、4.5。
4.5ってことは大体、人間、半分に割れないので、4人ぐらいってないと、50人だと4人ぐらい。
それを、じゃあさらに40人にすると、4人か3人になるはずなんです。
っていう風に考えると、IQ80って 一応グレーゾーンには入ると。
要は発達障害でもないグレーゾーン、言っちゃえば普通ぐらいかな。
ギリギリ普通なのか、グレーゾーンに入るっていう数値にはなる。
でも、40人クラスの中で下から5番目ぐらいのIQってことになるんです。
下から5番目って、高い低いって判断は難しいのかもしれないんですが、そんなに高くはないよねって話です。
40人クラスであれば、35番目ぐらいってことは、これは全体的な能力で、もし、そのパーセンタイルが1とか2とか、要はパーセンタイルで考えるので5切るようだと、クラスの中でその能力はビリっていうことになりうるんです。
てことは、下手したら授業についていけない可能性あるよって話です。
要は、その子がびりだったらなおさらですし、びりじゃなかったとしても、1番最後じゃなかったとしても、授業についていくのはきつくない?っていう話になるんです。
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FSIQっていうのは、トータルのIQです。
76パーセントが5なんです。
IQが80であったとしても、下から5番目。
IQは76。
なんか、70点ぐらい取れてればいいんじゃないのって思いつつも、パーセンタイル5ってことは、下手したらクラスの中でまあビリになってしまうってことです。
だから、100点満点換算だと、なんか高いのかななんて思いがちなんですが、そうじゃない、40から160の間ですし、パーセンタイルっていう中央値は、結構高いので、中央値というか、平均値っていうところを基準にして考えると、IQ76とか80って、実はそんなに、安心できる数字ではないということになって、 それがもし、WISC4で言うと、VCI(言語理解指標)とか、PRI(知覚推理指標)、WMI(ワーキングメモリー指標)、PSI(処理速度指標)とか、そういった感じの観点になると、尚更その低さが際立つ可能性があるんです。
トータルのIQっていうのは、苦手なところを、得意なところで補うことができる可能性があるんです。
でも、その項目が低かったら、 なかなか、その補い方も難しいケースも出てくる。
そうすると、その子はその分野では遅れてしまう。
例えばVCIが低いってことは、先生が何言ってるかわからない、 先生の指示が分からない、授業の意味がわからないっていうことが考えられるんです。
そう考えると、そこはやっぱりなかなか、授業中、常に隣の人に、今先生なんて言ったの?って聞くのも隣の子も迷惑ですし、怒られます。
どう考えてもっていうことになっちゃうので、 授業についていけないなっていうことが考えられるということです。
あくまで、可能性があるという風に、捉えていただければと思います。
そうじゃない可能性もあります。
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読み取り方によってはっていう風に考えることができるという事です。
なので、パーセンタイルっていうのは、当該年齢レベルの子が100人いたら、その子の下に何人いますか、実質IQで見るんですが、ちょっと基準がわかりにくいので、パーセンタイルで判断するとわかりやすいですよというような形になっています。
もし、WIC取った方いらっしゃるのであれば、パーセンタイルという、そのものについて、考えていただければと思います。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳