皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「WISC4からWISC5に変わったことで、解釈をする上での大きな注意点、変更点は何がありますでしょうか。」
というものです。
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まあ大きな注意点、変更点、違いというのは、考察の研修でもお伝えしている通り、
まず、指標得点に関してです。
指標得点に関して言えば、WISC4がVCI、PRI、WMI、PSIってなっていて、WISC5では WISC4にあったPRI(知覚修理指標)が、VSIとFRIになっているということです。
VSI(視空間指標)とFRI(流動性推理指標)です。
だから、それをさらに細かく紐解いていくということができるようになったっていうことかなとは思います。
だから、今まで、積み木模様も、絵の概念も、行列推理も同じPRIとして見なしていました。
下位検査レベルで見ないと、いまいち流動性推理との違いって見受けられなかったんです。
CHC理論に乗っ取った読みとき、クラスター分析をして読み解いていくという事です。
そこが、視空間指標が積み木模様とパズルになっています。
そもそも視空間指標としてとらえた場合は、2次元的なものを3次元に起こしたりとか、試行錯誤しながら、自分で立体的なものを組み立てていくことと、また、パズルは頭の中だけで、情報の整理統合ができるかっていうところになるんです。
PRIだと絵の概念と行列推理にあるような、流動性推理指標の場合だと、今度は行列推理とバランスになります。
行列推理っていうのは、どっちかっていうと、ルール化、パターン化を発見していくっていう要素の方が強いです。
だけど、バランスってみたら、基本的にはどういった順番でどのように物事をこなしていくかっていうルールは、あるにはありますが、それはルール発見なんです。
バランスっていうのは、思考の中での経時処理をどこまで行っていくのかっていうとこなんです。
その辺が細かく見ることができたっていうのは、僕は強いと思っています。
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両方とも概念的な繋がりです。
FRIの両方とも概念的な繋がりになってますから、どっちかっていうとこにあって、絵の概念っていうのは、概念っていうよりは、植物的なもの、要は有意味刺激を元にしたものとものとの概念的把握に強いんです。
だから、WISC4でも5でもいいんですが、VCIにある類似で、実際、言葉の抽象的な概念のその認識の共通点っていうところが強いんですが、 WISC5のそのバランスとかになると、FRIになると、どちらも基本的には無意味刺激に近くなっていく。
その無意味刺激の中で見通しを立てていくっていうところに繋がるのかなって思うと、結構面白いよねっていうところです。
そこが難しいのであれば、WISC4でいうと補助検査、WISC5でいうと2次下位検査になる絵の概念を取るっていうところかなと思います。
あとは、いつも言ってるようにWMI(ワーキングメモリー指標)にあった算数というものがFRIに移っています。
なぜ、算数というものはFRIに移ったのか。
今までWMIだったのが、なぜFRIに移ったのか、その本当の理由って何なんですかっていうところを、算数というものを紐解いていった上で考えて、 それを解釈に加えていくことができるようになるよねっていう話です。
こんな色々な読み解き方っていうのがあるんです。
ついてこれてますでしょうか。
結構、きついですよね。
それは、配布資料を踏まえた上で、研修の方をやっていっているので、そちらに参加して頂けたらと思います。
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あともう1個は、WISC4では、マニュアルの方に、1度検査したら2年間取れませんって書いてあったのが、WISC5は1年に変わってます。
そこは、大きな違いかなと思います。
だから、検査結果で低いところが出ました。
そして、その低いところっていうのは、トレーニングで伸ばせます。
トレーニングの仕方っていくつかありますし、内容によっても変わるので、一概にこれですとは言えないんですけれど、その結果、伸びたかどうかって、やっぱ効果測定したいじゃないですか。
それが、1年でできるようになったっていうのは、僕は強いかなって思います。
それも、読み解きに加えてもいいんじゃないのかなっていうところで紹介させていただきました。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳